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失敬
「失敬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
失敬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
?」
「駄目どころじゃありません。僕は君たちのためを思って骨を折っていてやるのに
失敬なことを言うなと来るんですから。」
「なるほどそれじゃどうすることも出来ない....
「河童」より 著者:芥川竜之介
からまた腕を組んだまま、突《つっ》けんどんにこう言い放ちました。
「じゃきょうは
失敬しよう。」
僕はしょげ返ったラップといっしょにもう一度往来へ出ることにしま....
「彼」より 著者:芥川竜之介
を覚えている。それは勿論病人の彼を不快にしたことに対する不快だった。
「じゃ僕は
失敬するよ。」
「ああ、じゃ
失敬。」
彼はちょっと頷《うなず》いた後《のち》、....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
さけ》ない心もちになった。が、とにかく売れるはずだと答えた。「そうですか? じゃ
失敬します。」青年はただ疑わしそうに、難有《ありがと》うとも何とも云わずに帰って....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
ル》へ近づきながら、口々に彼へ挨拶《あいさつ》した。私は立ち上った。
「では僕は
失敬しよう。いずれ朝鮮へ帰る前には、もう一度君を訪ねるから。」
私はカッフェの....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
てもよろしいと書いてありますよ。――神山さん。一本上げようか? 抛《ほう》るよ。
失敬。」
「こりゃどうも。E・C・Cですな。じゃ一本頂きます――。もうほかに御用....
「路上」より 著者:芥川竜之介
日《こんにち》は。大井さん。」と、声をかけた。
三
「やあ、
失敬。」
大井《おおい》は下駄箱《げたばこ》の前に立止ると、相不変《あいかわら....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
ルの向うへ、無造作《むぞうさ》に腰を下すと、壮年のような大きな声を出して、「やあ
失敬」と声をかけた。
本間さんは何だかわからないが、年長者の手前、意味のない微....
「死後」より 著者:芥川竜之介
は扇に日を除《よ》けたまま、大きい缶《かん》づめ屋の前に立ち止った。
「じゃ僕は
失敬する。」
缶づめ屋の店には薄暗い中に白菊が幾鉢も置いてあった。僕はその店を....
「早春」より 著者:芥川竜之介
、三重子はどこにも見えない。彼は何か気軽になり、目の前の大蜥蜴《おおとかげ》に「
失敬」をした。大蜥蜴は明治何年か以来、永久に小蛇《こへび》を啣《くわ》えている。....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
際に一すじの水沫《みなわ》を残したまま、一面に黒ぐろと暮れかかっていた。
「じや
失敬。」
「さようなら。」
HやNさんに別れた後《のち》、僕等は格別急ぎもせず....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
君、あの婆だぜ。悪くすると、折角の計画も――まあ、すべてが明日の事だ。じゃこれで
失敬するよ。」――こう云いながら、電話を切った泰さんの声の中には、明かに狼狽《ろ....
「或る女」より 著者:有島武郎
いて、いずれ直接あなたに手紙でいってあげるから、早く帰れっていうんです、頭から。
失敬なやつだ」
葉子はこの言葉に乗じて気まずい心持ちを変えようと思った。そして....
「或る女」より 著者:有島武郎
館《そうかくかん》でちょっとお目にかかったように思うが御挨拶《ごあいさつ》もせず
失敬しました。こちらには始終お世話になっとります。以後よろしく」
といった。古....
「星座」より 著者:有島武郎
くっていたんですが、……これで計算という奴は曲者ですからなあ。今日はそれじゃ僕は
失敬して家でうんと考えてみます。作るくらいならあんまり不器用な……」
「そりゃそ....