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「失費〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

失費の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
この頃になってつくづく悟った。私たちばかりでなく、すべての罹災者は皆どこかで此の失費と面倒とを繰り返しているのであろう。どう考えても、怖るべき禍いであった。 ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
石の恩典を与えられたために、世上の付き合い、道中の費用なぞ、いたずらに三万石並の失費が嵩むばかりで、実際の収入はその十分の一の三千石にも足らない微禄だったところ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らも祝い物をくれる。又その返礼をする。それも其の土地に縁付くならば、どんな面倒な失費もよんどころないが、遠い江戸へ縁付けてしまうのに、そんな面倒をかさねるのはお....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
という、いかにも実のありそうな見せかけ、行きがゝりであるが、マズイ芝居だ。第一、失費も大変である。 こういうマズイ芝居は忽ち報いのあるもので、こう話のきまった....
中庸」より 著者:坂口安吾
うである。 彼は富める人の如くにも思われぬから、手弁当はとにかくとして、今回の失費の如きをいかにして支払うのか、人ごとながら頭痛にやんだほどである。しかるに彼....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
造の必要に迫られたことなどもあった。友人等は私のやり方があまりに姑息で、かえって失費の多いことを指摘し、どうせ拡げるものなら将来のことも考えて、一挙に大拡張して....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
必要に迫られたことなどもあって、友人等は私の改造のあまりにも姑息であってかえって失費の多いことを指摘し、一挙に大拡張をしてはと忠告してくれたというような状態であ....
平塚明子(らいてう)」より 著者:長谷川時雨
も何でもありません、立派な生活です。一本の敷島《しきしま》を煙にしてもそれだけの失費があり、自分の足で歩くのだといばっても、跣足《はだし》ではあるけない世の中に....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
トランの二階へ、サト子の叔母の由良ふみ子が重々しいようすであがってきた。無意味な失費を厭《いと》うので、新橋から氷雨《ひさめ》に降られながら歩いてきたのらしい。....
十番雑記」より 著者:岡本綺堂
、この頃になってつくづく悟った。私たちばかりでなく、総ての罹災者は皆どこかでこの失費と面倒とを繰返しているのであろう。どう考えても、怖るべき禍であった。 その....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
もかけない満足を見出すのだった。しかし彼らの生活程度は、ベエコンの世帯に驚くべき失費を課した。彼はすでに借財を背負い、貸付人たちはようやくつむじを曲げようとする....
黒田清隆の方針」より 著者:服部之総
米国貿易のうけた打撃による損害 一一、〇〇〇万ドル 戦争を二年間延長させたための失費 二〇〇、〇〇〇万ドル サムナーは上記被害総額の賠償方法についてはなんら....
黒船前後」より 著者:服部之総
満潮時の河水に浮んだのは、それから三カ月のちだった。船は浮んだ。最後の予算外の大失費のため、今度は会社の方が沈没した。 進水した「グレート・イースタアン」は、....
」より 著者:吉川英治
のぞまれるのであろうが、心ある老臣方は、たださえお手許の不如意なところへ、莫大な失費。そこもとが病態を作られれば、重役方は、かえって眉をひらこうというものでござ....