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「夷狄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夷狄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:夏目漱石
示した。 「ええようやく四五日前帰りました。ありゃ全く蒙古向ですね。御前のような夷狄《いてき》は東京にゃ調和しないから早く帰れったら、私《わたし》もそう思うって....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
考えた。 黒船の帆影が伊豆の海を驚かしてから、世の中は漸次にさわがしくなった。夷狄を征伐する軍用金を出せとか云って、富裕の町家を嚇してあるく一種の浪人組が近頃....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
屋の窓の中から、その罵声は聞こえるのである。「仏が何んだ、仏教が何んだ。要するに夷狄の宗教じゃないか。日本には日本の宗教がある。神ながらの神道じゃ! 我輩の奉ず....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
れるところがあった。御隠居はもとより英明な生まれつきの人だから、今日の外国は古の夷狄ではないという彼の言葉に耳を傾けて、無謀の戦いはいたずらにこの国を害するに過....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
たいことだとして、攘夷の決行されないのを慷慨するものもある。官吏ともあろうものが夷狄の輩を引いて皇帝陛下の謁見を許すごときは、そもそも国体を汚すの罪人だというよ....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
の和訳を左から右へ横に書いた。それを見て先生は烈火のごとくおこった。 「きみらは夷狄のまねをするか、日本の文字が右から左へ書くことは昔からの国風である、日本人が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
五大洲という。その五大洲中ヨーロッパの文明が世界に冠たることを説き、その文明国を夷狄視《いてきし》することの浅見より、支那の覆轍《ふくてつ》を説いての教え方も要....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
余裕がなかったかも知れません。 よし、その余裕があったからとて、彼の気性では、夷狄《いてき》の酒なんぞに、この腸を腐らせることを潔《いさぎよ》しとしなかったか....
津浪と人間」より 著者:寺田寅彦
うであるか甚だ心細いような気がする。二千年来伝わった日本人の魂でさえも、打砕いて夷狄の犬に喰わせようという人も少なくない世の中である。一代前の云い置きなどを歯牙....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
い地位を占めてる者は、銃隊に熟した若い者に権力を奪われそうになった。その不平や、夷狄《いてき》の真似をするのは怪しからぬという憤慨やらで、門閥家の方から反対の声....
初恋」より 著者:国木田独歩
これが何です』と叫んだ。 『お前は日本人か。』『ハイ日本人でなければ何です。』『夷狄だ畜生だ、日本人ならよくきけ、君、君たらずといえども臣もって臣たらざるべから....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
解するものまたあるいは曰く、武士はすなわち孔子のいわゆる北方の強者にして、元来夷狄の長とするところなれば、当時文弱に流れ、優美を宗とせる京師の※紳より、これを....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
る。 故成佐諫曰、匈奴無道、不。 成佐は基衡を匈奴といっている。いかに東奥の夷狄とはいいながら、かなり馬鹿にしたものではないか。基衡の妻は安倍宗任の女で、毛....
本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
の軍と云い、源頼朝が征夷大将軍の官を頻りに希望致したのも、この征夷の官職を以て、夷狄藤原氏を討伐せん為であったと解せられます。ことに藤原清衡の如きは、自ら「東夷....
春心」より 著者:田中貢太郎
の道だ、今度の日露の戦争だってそうだ、日本には神の道に通じているものがいるから、夷狄の露西亜に勝ったのだ、鉄砲を打ったり、人を殺すことが豪かったから、勝ったと云....