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奇人
「奇人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奇人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
《ひぼんじん》ではない。けれども凡人でもない。さりとて偏物《へんぶつ》でもなく、
奇人でもない。非凡なる凡人というが最も適評かと僕は思っている。 僕は知れば知る....
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
《ねぎ》が出来たら提げて来い位に言うものですから、百姓仲間には受《うけ》が好い。
奇人ですネ」 そういう学士も維新の戦争に出た経歴のある人で、十九歳で初陣《うい....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
、はじめから、裸体になってまで、烏帽子のようなものをチョンと頭にのせていた。 「
奇人だ。」 「いや、……崖下のあの谷には、魔窟があると言う。……その種々の意味で....
「蠅男」より 著者:海野十三
になっていた。 あの半鐘櫓は、そもいかなる秘密を語ろうとはする? 灰色の
奇人館 「オーイ君、なにか臭くはないかア」 と、帆村は櫓の下から、上を向いて叫....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
もやる人ですナ。菊の頃には菊を作るし、よく何処の田舎にも一人位はああいう御医者で
奇人が有るもんです。『なアに他の奴等は、ありゃ医者じゃねえ、薬売りだ、とても話せ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、広瀬から清内路の奥までも行き、余暇さえあれば本を読み、弟子を教えた。学問のある
奇人のように言われて来たこの寛斎が医者の玄関も中津川では張り切れなくなったと言っ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
変わり者だなんて言われたら、だれだって気持ちはよかない。あれで半蔵さんも『自分は
奇人とは言われたくない、』と言っていますさ。」とまた兄の声で。 夫のうわさだ。....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
明治の八、九年頃、寺内にいい合わしたように変人が寄り集りました。浅草寺寺内の
奇人団とでも題を附けましょうか、その筆頭には先ず私の父の椿岳を挙げます。私の父も....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
に、西郷吉之助と署名して、南洲翁が横額に「万国一覧」と書いたのです。父はああいう
奇人で、儲ける考えもなかったのですが、この興行が当時の事ですから、大評判で三千円....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
売ったりする時にも、お世辞らしいことは云わなかった。しかし一体に古物商には、変人
奇人があるものであるから、刑部のそうした勿体ぶった様子は、あるいは加工的の勿体ぶ....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
ったひとりいたというだけで、ウオーキン・ミラーという人は詩人でもあったろうがまた
奇人でもあったろう?』 それから一週間の後であった。私はひとりで、どこへ行くと....
「新案探偵法」より 著者:小酒井不木
鯉坂嗣三君は生理学者であります。 彼は
奇人とよばれることを頗る嫌って居りますけれど、友人たちは、ことごとく彼を
奇人だと....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
人のすでに知るところなり。すなわち、彼のいまだかつて見聞せざる場所に遊び、その他
奇人にあい、種々様々の夢の起こる原因は、余はことに不瞭解なれども、しかしこれを不....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
、先年物故した夫人はタシカ八兵衛の遺子であった。) 椿岳は晩年には世間離れした
奇人で名を売ったが、若い時には相当に世間的野心があってただの町人では満足しなかっ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
おる。 「あれは何だっしゃろなア? 」 「サア、昼の日中に電燈をつけて……よほど
奇人と見えますなア」 天狗先生それを聞いて癪に触ったと見えて立止った。 「オイ....