奇怪千万[語句情報] »
奇怪千万
「奇怪千万〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奇怪千万の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
去ってしまった。 哀れなコワリョーフは気も狂わんばかりであった。彼はこのような
奇怪千万な出来事をどう考えてよいのか、まるで見当がつかなかった。まだ昨日までは彼....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、お早くお出まし願います」 うろたえた文字で、走り書きがしてあるのです。 「
奇怪千万、またまた生血が降り候《そうろう》。ただし、軸物にはそうらわず、念のため....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たら、とっくりあごをなでて考えてごらんなさいまし……」 なるほど、不思議至極、
奇怪千万な話です。伝六のいうとおり、平牢《ひらろう》の、それもおおぜい投げ込み牢....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たものは、たしかに加州家の者と名のっているのに、その家中の者がひとりもいないとは
奇怪千万でした。 「よしよし、なんぞいわくがあろう。こもをはねてみな」 気味わ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
るかのようにそこへ引きたててきたまでは無事でしたが、しかるに少年はなんともかとも
奇怪千万でした。 「死んでやらあ! 死んでやらあ! もうこうなりゃ、おれもいっし....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
中していたのだ。のみならず、ダンネベルグ夫人の屍光と代り合って、この侏儒の傴僂は
奇怪千万にも、甲冑を着し宙吊りになって殺されている。ああ、ここにもまた、犯人の絢....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
も鮮かに聞こえて来る。やがてとうとうその声は彼の腕から聞こえるようになった。 「
奇怪千万」と葉之助は、やにわに袂を捲り上げた。肉附きのよい白い腕がスベスベと二の....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
国籍の兵なるや、判断しがたし” 「甲冑を着して居って、国籍不明? ふーむ、これは
奇怪千万!」 ラック大将は、呻った。 大団円 潜水飛行艦隊は、キンギン....
「精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
説であるそうだ。僕も亦、そう思う。精神病院の外側の世界は、背徳的、犯罪的であり、
奇怪千万である。 人間はいかにより良く、より正しく生きなければならないものであ....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
は、あまりに大胆過ぎているではないか。もし又、かれの申立てを真実とすれば、近ごろ
奇怪千万の出来事で、西瓜が人間の生首に変るなどとは、どう考えても判断の付かないこ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
のバラック都市を指して、この戦争の惨禍を見よ、戦争の悲しさを見よと言えないことは
奇怪千万ではないか。そう云えたのは焼跡が暗黒マーケット時代の三四年間だけのことだ....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
怪といわざるべからず。第五に、その声、よく他人の疾病に特効ある奇薬を指示す。実に
奇怪千万というべし。これを要するに、以上の事実によりて考うるに、その怪物には予言....
「妖怪学」より 著者:井上円了
身体のいろいろの部分より自然に細糸を引き出す法にして、ちょっと聞いても、ずいぶん
奇怪千万のことのように思わる。すでに世間に宝物として遺存せるものの中に、糸引きの....
「迷信解」より 著者:井上円了
の大将より始めて幾人もあるべし。しかるに、その方をさしおきて彦七をおどしかけしは
奇怪千万なり」と述べたるも、祟の信ずるに足らぬ一例に備えてよろしい。もし、古代に....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
れども、拙者一人は、夫が妻に対する本務と、国民が国王に対する本務とを同視するは、
奇怪千万と思った。 この一例によりても、西洋と日本との人倫の説き方の相違が分か....