奇態[語句情報] »
奇態
「奇態〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奇態の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
できうるものでしょうか。僕はそれをあなたに考えていただきたいのです。
あなたは
奇態な感じを与える人です。あなたのなさる事はどんな危険な事でも危険らしく見えませ....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
》を持っております。しかしその程度に達すればかえってこれを妨ぐるものである、との
奇態《きたい》なる植物学上の事実が、ダルガス父子によって発見せられたのであります....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
かった。わけても、その原野の正確な擬人化というのが、鬼猪殃々《おにやえもぐら》の
奇態をきわめた生活のなかにあったのである。 あの鬼草は、逞《たくま》しい意欲に....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ッ、テレーズだ!」
それは、まさしく魔法ではあるまいかと疑われたほど、不可思議
奇態をきわめた現象であった。前方の画面が眩ゆいばかりの眩耀で覆われているにもかか....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
明るくなった。といっても暁に薄っすりと陽の光りがさしこんでくる位の明るさだった。
奇態なことに、別に臭気というものを感じなかったけれど、――それは後に至って、一種....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
り変えたい場合には、非常に舌を片よって多く出したりする。それだけでみると随分変な
奇態な外観を呈している。仮装は、巷間之をフランス装という程、フランスの本は仮装が....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
る足音が、イカバッドの鋭い耳にきこえた。川のふちの、森の暗い影に、なにか巨大な、
奇態な形をした、黒いものがそそり立っていた。それは動かなかった。暗闇のなかで、か....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
りません。また、偶然といい偶中というものが、十が十ながらことごとく適中すれば実に
奇態であるが、よく調査を遂げてみると、その適中するものは極めてまれである。ことに....
「奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
或いは越後獅子などの類で、獅子奮迅踴躍の状を表象したものとして解せられているが、
奇態な事にはその旧仙台領地方に行わるるものが、その獅子頭に鹿の角を有し、他の地方....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
て、氏子一同氏神の社に詣で、藁で作った輪を潜って、後をも見ずして走って帰るという
奇態な神事もあったという。また氏神には白山社が甚だ多い。これはひとり上宝村のみに....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
物の中からその紹介状を出して示しますとジーッとその上書を見て居りましたが「こりゃ
奇態だ、この書面で紹介された主は私です」という。
ネパールで友達というのはなか....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
んだり、男子のする運動は、女子もたいていこれに加わりて競争しておる。風俗の相違は
奇態なものである。まず、船中の奇談はこれにてとめておきましょう。....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
公民、すなわち古えに所謂良民だという事になって、良賤の別が全く引っくら返るという
奇態な現象になりました。 陵戸の方はどうかと申すと、これは職業が賤しい為に解放....
「特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
て、村の学齢簿を調査してみたところが、実際その村には女の児が少かった。「この村は
奇態に昔から女の児の少い所で、嫁は多く他村から貰うのです」との説明を聞いた事もあ....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
人皇女などこれである。この「間人」の二字、古くハシヒトと訓ませてあるのであるが、
奇態な事には、「古事記」に「間人穴太部王」とある欽明天皇の皇子の御名を、「日本紀....