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奇才
「奇才〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奇才の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
れを無造作に取り上げたかと思うと、たちまち口を開けてしまった。 一座は、源内の
奇才を賞する声で満ち満ちた。彼の
奇才は、一座の白けかかるのを救ったのである。 ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
配なしだ。親たちの目は曇りやしない。 次第々々に地位を高めようとするんだから、
奇才俊才、傑物は不可ん。そういうのは時々失敗を遣る。望む処は凡才で間違いの無いの....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
べきものがある。追々それを私は説明して行こう。とにかく私のは谷孫六先生のように、
奇才縦横ではないが、相当に金儲け位は知っているのである。 だが、昆布は、少し、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
白雲は、絵師たるべく絵師となったのではない。慷慨《こうがい》の気節もあり、縦横の
奇才もないではないが、何をいうにも小藩の、小禄の家に生れたものだから、その生活の....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
らんようにするがいい。 横田は本当に可哀相なことをした。僕はあの男がついにその
奇才を現すことなくして世を去ってしまったのがいかにも残念で堪らぬ。それに僕をもっ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
世良田摩喜太郎は小藩の出ながら稀代の逸材、よく薩長とレンラクして倒幕にはたらいた
奇才であったが、そのころ二十一二の小僧だったそうな。薩長の生れならばつとに国家の....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
葛飾北斎最も現わる。彫刻を修めてついに成らず、ついで狩野融川につき狩野派を学びて
奇才を愛せられまさに大いに用いられんとしたれど、不遜をもって破門せらる。これより....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
其時座中には堀田正俊だの、阿部豊後守忠秋だの、又は河村瑞軒などという、一代の名賢
奇才などが、臨席していたということである。 「其方程の剛の者には恐ろしいと思うた....
「時 処 人」より 著者:岸田国士
。「天気よし」という表現は、緑雨らしくて私には面白い。 緑雨といえば明治文壇の
奇才で、その「あられ酒」は私の愛読書であつたから、彼が病を得て三年間こゝで療養生....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
に拷問室でもあれば、ギヤマン室までありますので。田沼侯お気に入りの平賀源内氏が、
奇才を働かせて作った室の由で。四方の壁から天井から、ギヤマンの鏡で出来ているそう....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
時代から悪賢く、人生を僻んで見るようになった。独創の才は無かったが、しかし一個の
奇才として当代の文壇に雄飛したことは、又珍しいと云うことが出来よう。 真夏が江....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
払下げ出来た時代の三千円は決して容易でなかったので、この奇利を易々と攫んだ椿岳の
奇才は天晴伊藤八兵衛の弟たるに恥じなかった。が、世間を思切って利慾を捨てた椿岳は....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
りは正直正太夫であった。私の頭に深く印象しているは「小説八宗」であって、驚くべき
奇才であるとは認めていたが、正直正太夫という名からして寄席芸人じみていて何という....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
女をしっかりと掴まえている。からだの中心を取り、かつ、もしある日、自分は綱渡りの
奇才を深淵の上で実演しているのだと気がつくのだったら――いよいよおもしろい! す....
「身の上や」より 著者:長谷川伸
し、浪々十年、旧知三百石で召還されたが、流転の十年は理兵衛に脱疽を患わせ、当年の
奇才縦横はどこへか失って懊悩の後半生をおくってしまった。 こうした、寛政九年の....