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「奇景〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奇景の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
界になってきた。これが、パナマ、スマトラと中央アフリカにしかない、ジャングルの大奇景なのである。 つまり、寄生木や無花果属の匍匐性のものが、巨樹にまつわりつい....
紀行文家の群れ」より 著者:小島烏水
ひどく攻撃せられた。その中の一評者が「一時は紀行文は前人の未だ踏まない深山幽谷の奇景を、紹介するのを職とするような傾向であった、いや今でも、そういう好奇心で、紀....
恐竜島」より 著者:海野十三
の怪奇にぜっする恐竜洞を一そう心をおちつけてながめた。 見れば見るほど、天下の奇景《きけい》であった。岩山がうまくより集って、偉大なる巣窟《そうくつ》をつくっ....
吹雪のユンクフラウ」より 著者:野上豊一郎
の登りで沿道は別に何の奇もない。しかしラウターブルンネンは書き留めて置くに値する奇景の地である。断崖絶壁の寄り集まった渓谷で、村はどこに人家が隠されてあるかわか....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
うな奇観を呈するに決まつているのである。 もつともひつぱり出すほうではもつぱら奇景の探勝を目的としているのであろうから、八さん熊さんがタキシードを着こなして手....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
ておきとう御座りまする」 「それは御熱心な事で御座る。幸い当方に於いても、三面の奇景は申すに及ばず、異なりたる風俗なんど、絵に書き取りて、わが君初め、御隠居様に....
西航日録」より 著者:井上円了
り、北風これを吹きて片々空中に舞わしむ。あたかも綿片の天空に散ずるがごとし。また奇景なり。一見すこぶる壮快を覚ゆ。当夕、ベルファストに帰る。これより両三日を隔て....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
て風景に富む。かつ一帯の海浜白砂雪のごとく、往々奇※その形動物に似たるものあるは奇景なり。山野に大岩山の自然に並立せるありさまは、わが笠置山に似たり。 一帯峰巒....
私本太平記」より 著者:吉川英治
たのはむりもない。 だから洛内は荒涼だが、洛外へ行くほど逆に人さわがしい変則な奇景をいまは呈している。――それも桂川から丹波ざかいはあぶないので、嵯峨から北、....
釜沢行」より 著者:木暮理太郎
る。若し両岸に一丈近くの絶壁が四、五十間も続いていたならば、単に夫だけで私達は此奇景を飽まで嘆賞した後、悄然として帰途に就くより外に方法はなかったであろう。勿論....