奇譚[語句情報] » 奇譚

「奇譚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奇譚の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
か」「そうそう人売りの話しをやっていたんだっけ。実はこの伊勢源についてもすこぶる奇譚《きだん》があるんだが、それは割愛《かつあい》して今日は人売りだけにしておこ....
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
り》の名人でね」 槍などは下手《へた》でも構わん。昔《むか》し藩中に起った異聞奇譚《いぶんきだん》を、老耄《ろうもう》せずに覚えていてくれればいいのである。だ....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
と立って、測定装置の前に、並んだのだった。 「さて僕には、川波大尉殿のような、猟奇譚の持ち合わせが一向にないのだ。といって引下るのも甚だ相済まんと思うので、僕自....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
手紙をとりあげた。 敬愛するお嬢さま――同封の書信を、お送りするについて、一|奇譚を申しあげねばなりません。それは、この発信地のヌヤングウェのポスト下には、同....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
森田思軒の「探偵ユーベル」、「間一髪」、原抱一庵の「女探偵」、徳冨蘆花の「外交奇譚」、黒岩涙香の「人外境」等。 では、何故、当時探偵小説が一般に喜ばれたので....
江戸川乱歩氏に対する私の感想」より 著者:夢野久作
節穴の形と一所に、今でも私の眼に滲みついております。 これに反して「パノラマ島奇譚」では、ほとんど初めからおしまいまでスッカリ失望させられてしまいました。前半....
白金神経の少女」より 著者:蘭郁二郎
うなことはない」 と、この老いた恋愛電気学者は愉しそうに笑うのであった。 (「奇譚」昭和十四年八月号)....
十二支考」より 著者:南方熊楠
抱いて地に落さざらしむとか、主人と同席で飲食するとか、人馬|親昵《しんじつ》する奇譚どもを片端から皆嘘のように貶《けな》したが、それは今日来朝の外人が吉野高尾ほ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
》な綿毛を被った形、とんとシジアの羔《こひつじ》に異ならぬ。それに附会して種々の奇譚が作られたのだと(『自然科学字彙《ジクチョネール・デ・シャンス・ナチュレル》....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
ものを、ちょいと覗いてみると、曰く「世界お伽噺、法螺博士物語」、曰く「カミ先生|奇譚集」、曰く「特許局|編纂――永久運動発明記録全」、曰く「ジーメンス研究所|誇....
怪譚小説の話」より 著者:田中貢太郎
、当時の短篇を六十種集めた叢書であるが、それには歴史的な逸話があり、怪譚があり、奇譚があって、皆それぞれ面白い。泉鏡花子の『高野聖』は、その中の幻異志にある『板....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
つもいちどきとは。しかもあの三つは、たっぷりしているものたちだから。「煙突ぶらし奇譚」まで覚えていらしたのは、本当にあの一連りの詩物語が、どんなにまざまざとした....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
鼻祖、その壮年期は航海術が本職だから、海のことには通じている。しかし昇龍丸の冒険奇譚には甚しく驚いた様子であった。くわしく話をきき終って、ナイフを逆手に暫時悪血....