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奇警
「奇警〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奇警の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
らば余り人の込み合わない家《うち》で、閑静な髯《ひげ》を生やした爺《じい》さんが
奇警《きけい》な言葉で、簡潔にすぱすぱと道《い》い破《やぶ》ってくれるのがどこか....
「明暗」より 著者:夏目漱石
濶な所から生み出されていた。言葉を換《か》えていうと、彼は迂濶の御蔭《おかげ》で
奇警《きけい》な事を云ったり為《し》たりした。
彼の知識は豊富な代りに雑駁《ざ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
いものが出来るから」「また欺《だま》すのだろう」「いえこれだけはたしかだよ。実際
奇警な語じゃないか、ダ・ヴィンチでもいいそうな事だあね」「なるほど
奇警には相違な....
「野分」より 著者:夏目漱石
たは袷自身のために存在するですか」と云って、一応聴衆を見廻した。笑うにはあまり、
奇警である。慎《つつ》しむにはあまり飄《ひょう》きんである。聴衆は迷うた。 「六....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
の磁器にもられた液体|琥珀の中に、その道の心得ある人は、孔子の心よき沈黙、老子の
奇警、釈迦牟尼の天上の香にさえ触れることができる。 おのれに存する偉大なるもの....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
来る。そして、私達の弓が揃って引絞られたり、矢の羽が頬を摺ったりする後方に居て、
奇警な批評を浴せかける。戯れに、 「どうです。先生、もう弓も飽いたから――貴様、....
「嬌娜」より 著者:田中貢太郎
よくて、一目見て暗記することができた。二三箇月の後に文章を作らしてみると、構想が
奇警で他人の真似のできないものがあった。二人は約束して五日目五日目に酒を飲むこと....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
。一面は文学的で、一面は科学的で、しかしてまた他の一面は宗教的である。勁抜の文、
奇警の句、そのマルサス人口論を、論破するごとき、痛快を極め鋭利を極めている。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
う無類の用心棒があればこそだろうが――単にそれだけではない、先生には先生としての
奇警にして、正当なる自信を別に持っているもののようです。 だが、道庵先生がドン....
「イタリア人」より 著者:寺田寅彦
世の匂」をかいで歩くのだと言っていた。一緒に歩いていると、見る物聞く物黒田が例の
奇警な観察を下すのでつまらぬ物が生きて来る。途上の人は大きな小説中の人物になって....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
いう四、五の論説が近ごろドイツの一雑誌に掲げられたので、シルヴァン・コーンはその
奇警な逆説を人に言い伝え誇張していたのだった。)――クリストフは人々の興味をひく....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
偉大なものが実際に存在していたことです。私は彼の旧作を二つ読んでみました。所々に
奇警な観念がこもっていて、しかもそれが荒削りの状態のままですぐに変形させられてい....
「博物誌あとがき」より 著者:岸田国士
せた。 彼が自然を愛し、草木|禽獣のいのちを鋭く捉えたことは事実であるが、その
奇警な観察をこういう形式で纏めようという意図はもともと著者自身にはなかったかも知....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
なりと解するなり。文は載せて『芸文』第六年第六号(大正四年六月発行)にあり。着眠
奇警にして、在来の俘囚はもと是れ王民にして夷のために略せられたりというものと出発....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
えて、或程度の美が一般的に普遍されたという事を語るものではあるまいか。論いささか
奇警に似たる感があるかもしれないが深く考察してみる時、この言必ずしも不当ではない....