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奇遇
「奇遇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奇遇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
しまいましたが、今わたしの見た弥三右衛門は、当年の船頭に違いないのです。わたしは
奇遇《きぐう》に驚きながら、やはりこの老人の顔を見守っていました。そう云えば威《....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
う》の名高い句碑が萩の中に残っている、いかにも風雅な所でしたから、実際才子佳人の
奇遇《きぐう》には誂《あつら》え向きの舞台だったのに違いありません。しかしあの外....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
これはどうですか? まあ、体裁の上では小品《しょうひん》ですが、――
編輯者 「
奇遇《きぐう》」と云う題ですね。どんな事を書いたのですか?
小説家 ちょいと読ん....
「蠅男」より 著者:海野十三
と、それはかねて見覚えのある住吉署の大男、大川巡査部長と、外一名であった。帆村も
奇遇に愕いて尋ねると、大川巡査部長は昨日辞令が出て、この宝塚分署の司法主任に栄転....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
どのではござらぬか」 と、声を掛けた。 「おお富田無敵どのでござったか。これは
奇遇!」 先年佐助がその今出川の道場を荒して茶漬飯をふるまわれたことのある富田....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
の男の顔を見たとき、 「おやッ」 と思った。どこかで見た顔であった。 大
奇遇《だいきぐう》 隆夫《たかお》のたましいは、そのあわれな人物の顔を、何回と....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
ノグチ氏が、がた馬車に乗って町へ買物に出た光景が想像される。 東海散史の佳人の
奇遇に出ているというミルキン湖も、ここも同じ公園ではあるが、ミルキン湖の美しさに....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
ホームに立っている彼女の顔をしみじみと見た。その匂うばかりの美しさ! 「しかし、
奇遇でしたね」 と、思わず白崎は言った。 「――おかげで退屈しないで済みました....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
署へ来ていたのか――それはしばらく読者の想像に任して置いて、さて――。 「うん。
奇遇だね」 小沢も微笑を泛べて、 「――さっきはどうも……」 と、言った。 ....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
長じていたから、矢野龍渓の『経国美談』、末広鉄腸の『雪中梅』、東海散士の『佳人之
奇遇』を先駈として文芸の著述を競争し、一時は小説を著わさないものは文明政治家でな....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
たが、其詞の端に因て、重蔵は早くも彼が角川家の倅であることを悟った。で、一旦は其
奇遇に驚いたが、今は其んなことを詮議する場合でない。彼は頼まるるままに角川家へ使....
「西航日録」より 著者:井上円了
。翌日午後二時、バンキポール停車場に着す。この駅にて藤井宣正氏に面会せるは、実に
奇遇というべし。これより当夜七時発の汽車に乗り込み、十一時ガヤに着し、ダクバンガ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ベイにおいてはじめて相知り、ここに九年を隔てて、さらに豪州において再会を得たるは
奇遇というべし。一詩を賦してその歓を述ぶ。 一別以来已十霜、西天夢跡去茫茫、濠陽....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
うわけさ。森山君も北見からかえるところで、同じ汽車に乗っている事がわかった。実に
奇遇だった。市岡は札幌の家へかえるので其処で別れ、それから森山君、中野君、僕と、....
「四つの都」より 著者:織田作之助
廻す。 節子「昨日汽車の中でお眼に掛って、今日また奈良でお会いするなんて、本当に
奇遇ですわ」 庄平(稍や冷淡に)「僕は、昨日昭南島で会うた男に、今日ジャワで会う....