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「契合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

契合の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
離れて物はない、また物を離れて己はないはずとなりますから、いわゆる物我なるものは契合一致《けいごういっち》しなければならん訳になります。物我の二字を用いるのはす....
忘れ形見」より 著者:若松賤子
嫁《にいよめ》でいらしッたころ、一人の緑子《みどりご》を形見《かたみ》に残して、契合《ちぎりあっ》た夫が世をお去りなすったので、迹《あと》に一人|淋《さび》しく....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
、釈の三教の帰一に到着した。もしこの人が旧新約書を読んだなら、あるいはその中にも契合点を見出だして、彼の安井息軒の『弁妄』などと全く趣を殊にした書を著したかも知....
連環記」より 著者:幸田露伴
。二人の談話は何様なものだったか、有ったか無かったか、それも分らぬ。ただ然し機縁契合して、師と仰がれ弟子と容れられ、定基は遂に剃髪して得度を受け、寂照という青道....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を尽して蘇峰を往訪した。が、熱烈なる天才肌の二葉亭と冷静なる政治家気質の蘇峰と相契合するには余りに距離があり過ぎたから、応酬接見数回を重ねた後はイツとなく疎遠と....
「はつ恋」解説」より 著者:神西清
切な精神の形成期を、ほかならぬ貴族の子弟として迎えたことになります。その運命的な契合は、ツルゲーネフの人生観の上にも作風の上にも、消しがたい烙印を押しています。....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
拵方は、 わたし共は下らぬ戯だと云ってしまうのです。 今まで性命を生んだ、優しい契合点ですね、 あの、親の体の内から迫り出て、遣取をして、 我と我が影像を写すよ....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
えるには、彼と武蔵との関係は、当年の春山はむしろ求道の壮年僧で、剣と禅との一道に契合したことは事実でも、実際は武蔵のほうがずっと年長でもあったし、年下の春山は師....
芸術と国民性」より 著者:津田左右吉
暗示せられたまでである。言を換えていうと自分と古芸術とが偶々何処かにおいて一つの契合点を得たのである。あるいは古芸術において自分の反映を認めたのである。そうして....