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奔
「奔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
《たてがみ》とを、長く風になびかせながら、ひづめに火花を散らして、まっしぐらに狂
奔する。一町二町月明かりの小路は、太郎の足の下で、急湍《きゅうたん》のように後ろ....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
、病死してしまったと云うものもある。あるいはまた情夫《じょうふ》の出来たために出
奔してしまったと云うものもある。(註二)しかし事実はどちらにしろ、この話の始まる....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
》の情に堪えなかったものと見えて、ある夜|私《ひそか》に住み慣れた三郎治の家を出
奔《しゅっぽん》した。
それから三年の間、吉助の消息は杳《よう》として誰も知る....
「或る女」より 著者:有島武郎
なげて、そのまま学校を退学してしまったのも彼女である。キリスト教婦人同盟の事業に
奔走し、社会では男まさりのしっかり者という評判を取り、家内では趣味の高いそして意....
「或る女」より 著者:有島武郎
《おわ》したまわん事を。
明治三十四年十二月十三日」
倉地は事業のために
奔走しているのでその夜は年越しに来《こ》ないと下宿から知らせて来た。妹たちは除夜....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ないのに、君たちはしいてもそれらに君たちを考えさせようとした。 舷を乗り越して
奔馬のような波頭がつぎつぎにすり抜けて行く。それに腰まで浸しながら、君たちは船の....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ものは、畢竟するに極く幽かな私の影に過ぎなかった。お前は私を出し抜いて宗教生活に
奔っておきながら、お前の信仰の対象なる神を、私の姿になぞらえて造っていたのだ。そ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
幾多の学界の創立に関与し、殊に一八八二年、『英国心霊協会』の創立に際しては大いに
奔走の労を取り、又一八八四年、『ロンドン神霊協会』が組織された時には、直ちにその....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
手綱に繋ぐべきにあらず。十七の春なりし。心を決して父と伯父に乞いもし許されずは出
奔せん覚悟を様子にそれと悟りてか、左まで思わば出京せよと許可を得たり。 穂垂の....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
わらないのだ。休むことを知らないアメリカのほかのところでは、移住民や種々な改善が
奔流のようにぞくぞく流れこみ、絶えず変化しているが、その大きな急流もこの渓谷には....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
たるは、時勢の然らしむるところとは申しながら、そもそも勝氏が一身を以て東西の間に
奔走周旋し、内外の困難に当り円滑に事を纒めたるがためにして、その苦心の尋常ならざ....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
ちあとに残された四人は、きれいに未練を捨てて、二人がいっしょになれるように、極力
奔走する。成功させるためにきっと尽力する。だからおまえ、本気になってこの五人の中....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
衛が、纔に温まった懐をおさえて、九州の青年の多くが、その青雲を志し成功を夢みて、
奔流する水道を、白波たつ波頭を蹴散らし蹴散らし、いささかのセンチを目に浮べて、悲....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
の具現の為にあらゆる努力を捧げたいと思って居る。私は右の信念の下に党の運営の為東
奔西走しつつあるのであるが、よく人は私を「まあまあ居士」だとか「優柔不断」だとか....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
じ大王は西方より迫り来たる敵に一撃を与えんとした。敵は巧みにこれを避け大王をして
奔命に疲れしむるとともに墺軍主力はシュレージエンの占領を企図したので、大王も弱り....