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「奔命〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奔命の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
応の食事をたらふくつめこんだり、また誰も彼もが役所でのペンの軋みや、あくせくたる奔命や、自分のばかりか他人ののっぴきならぬ執務や、またおせっかいなてあいが自分か....
自転車日記」より 著者:夏目漱石
に閑居静養を専《もっぱ》らにした奴に違ない、計らざりき東洋の孤客に引きずり出され奔命に堪《たえ》ずして悲鳴を上るに至っては自転車の末路また憐《あわれ》むべきもの....
島原の乱」より 著者:菊池寛
一揆の群が何処にひそんで居るかわからないのだから、軍陣に慣れて居る藩士達も徒らに奔命に疲れるばかりでなく、諸処に討死をする。一揆の方では三会村の藩の米倉を奪取し....
運命」より 著者:幸田露伴
るを以て、十二月に至って却って景隆に太子太師を加う。燕王は南軍をして苦寒に際して奔命に疲れしめんが為に、師を出して広昌を攻めて之を降す。 前に疏を上りて、諸藩....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
仰家と呼ばれる宗教専門家だけだろうと思う。――ひとり宗教的信仰に限らず、政治上の奔命もビジネスも読書や著述も、一種の耽溺三まい境を用意している意味で、どれも薬品....
李陵」より 著者:中島敦
回の軍たる、五千にも満たぬ歩卒を率いて深く敵地に入り、匈奴《きょうど》数万の師を奔命《ほんめい》に疲れしめ、転戦千里、矢尽き道|窮《きわ》まるに至るもなお全軍|....
入社の辞」より 著者:夏目漱石
三軒の学校を馳《かけ》あるいて、漸《ようや》く其日を送って居た。いかな漱石もこう奔命につかれては神経衰弱になる。其上多少の述作はやらなければならない。酔興《すい....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ように、八方分身十方隠れ、一人の体を八方に分かち、十方に隠れて出没し! 敵をして奔命に疲労れしめ、同士討ちをさせるがためであった。 はたして信徒達は騒ぎ立った....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ある。 処が在郷軍人が、「軍人の立場」からこうして国体明徴や機関説排撃の運動に奔命している間に、現職の軍人そのものの間では、もっと国体明徴問題に引っかかるよう....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ありました。それよりも、あまりに選名が早いので、それに縄をつけて、木に結ぶことの奔命《ほんめい》に窮するほどの与八。 この前後から、村々の子供をはじめ、閑人《....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
本がまた元亀、天正以前の状態になる、幸に新政府が成立したからと云って、その政治の奔命に疲らされて革新の精力などは消磨されてしまう、そこへ外国の勢力が割込むと云う....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
衝き動かさるるが如くに、叫び、宣し、闘いつつ生きねばならなくなるのだ。倉皇として奔命し、迫害の中に、飢えと孤独を忍び、しかも真理のとげ難き嘆きと、共存同悲の愍み....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
ながら、先方が承知して待ち構えているのに、わざと行かずにじらしたりして、敵をして奔命に疲労れさせようとした。そうしていよいよ今日となり、師匠秋山も来たところから....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
を縦横の説と呼んだ)を振い、六国をして、合従させたり連衡させたりしたため、六国は奔命につかれ、互いに疑い合い、とうとう秦のために、次々に亡ぼされて了った。 六....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
じ大王は西方より迫り来たる敵に一撃を与えんとした。敵は巧みにこれを避け大王をして奔命に疲れしむるとともに墺軍主力はシュレージエンの占領を企図したので、大王も弱り....