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奥さん
「奥さん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奥さんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
」
陳の唇を洩れる言葉は、妙に底力のある日本語であった。
「誰?――婆や?――
奥さんにちょいと出て貰ってくれ。――房子《ふさこ》かい?――私は今夜東京へ行くか....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
てば響くと云うのは、恐らくあんな応対《おうたい》の仕振りの事を指すのでしょう。『
奥さん、あなたのような方は実際日本より、仏蘭西《フランス》にでも御生れになればよ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ゆそうび》の花を抜き、ゲエルの手へ渡しました。
「しかし火事は消えたといっても、
奥さんはさぞお驚きでしょう。さあ、これを持ってお帰りなさい。」
「ありがとう。」....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
と、この半時間ばかりの間《あいだ》にも、不遇の音楽家が飛びこんで来たり、どこかの
奥さんが自殺したり、いろいろな事件が起るのですが、――御待ちなさいよ。事によると....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
て頂ければ好都合《こうつごう》です。
保吉 女主人公《じょしゅじんこう》は若い
奥さんなのです。外交官の夫人なのです。勿論東京の山《やま》の手《て》の邸宅《てい....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
違いなかった。
「あたしは今夜は子供になって木履をはいて歩いているんです。」
「
奥さんの袂《たもと》の中で鳴っているんだから、――ああ、Yちゃんのおもちゃだよ。....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
の袖《そで》を気にしながら、玄関へ来ると、誰《だれ》もいない。客間をのぞいたら、
奥さんが誰だか黒の紋付《もんつき》を着た人と話していた。が、そこと書斎との堺《さ....
「少年」より 著者:芥川竜之介
《す》ねたようにわざと足などをぶらつかせている。
「あなたはきっと賢《かしこ》い
奥さんに――優しいお母さんにおなりなさるでしょう。ではお嬢さん、さようなら。わた....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
しは三十にならぬ前に或女を愛していた。その女は或時わたしに言った。――「あなたの
奥さんにすまない。」わたしは格別わたしの妻に済まないと思っていた訣《わけ》ではな....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
》ばかり弾《ひ》いています。が、身なりはちゃんとしていますから、どこか相当な家の
奥さんでしょう。のみならず二三度見かけたところではどこかちょっと混血児《あいのこ....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
事を云ってすましている。それから、籐椅子に尻を据えて、勝手な気焔をあげていると、
奥さんが三つ指で挨拶に出て来られたのには、少からず恐縮した。 すると、向うの家....
「滝田哲太郎君」より 著者:芥川竜之介
すか?」といった。 ◇ 滝田君に近いものだった。僕はそのことを
奥さんに話した。「これは水気が来ておりますから、……綿を含ませたせいもあるのでご....
「狂女」より 著者:秋田滋
云いだした。そして部屋に通されると食ってかかるような剣幕で、彼はこう訊いた。 「
奥さん。面談したいことがあるから、起きて、寝床から出てもらえないかね」 すると....
「初雪」より 著者:秋田滋
女の生命を脅かすようになって来た。 「このままここにこうしておいでになっちゃア、
奥さんは寒までは持ちますまい」 医者はそう云った。で、彼女は南フランスへ転地す....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
あったらしい灰色のコールテンズボンに違った上着で、相撲の強かった大男のKさんと、
奥さんもたまには来られた様であったが、香椎の山奥で作ったと云う水密桃だの梨だの葡....