奥山の[語句情報] » 奥山の

「奥山の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奥山のの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
冗談だ。なにしろまあここへ掛けねえ」と、幸次郎は笑いながら呼び込んだ。 お光は奥山の宮戸川という茶店の女で、幸次郎の職業もかねて知っているのであるから、呼びか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
には大きい掃溜めがあった。昔から栽えてある大きい桜が一本立っていた。お作は浅草の奥山の茶店に出ているが、そのほかに内々で旦那取りをしているとかいうので、近所の評....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
帳であるが、名に負う浅草の観世音であるから、日々の参詣者はおびただしく群集した。奥山の驢馬の見世物などが大評判であった。 その参詣のうちに、日本橋北新堀の鍋久....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るから、出先のことはよく判らないが、まず観音に参詣して、そこらで午飯でも食って、奥山のあたりでも遊びあるいて、それから仁王門そばの観世物小屋へ入り込んだのであろ....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
日は特別、平時と違って、途中の金貸の軒に居る、馴染の鸚鵡の前へも立たず……黙って奥山の活動写真へも外れないで、早めに帰って来て、紫の包も解かずに、…… 「道理で....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
底も極めたければ、滝の裏も覗きたし、何か前世の因縁で、めぐり逢う事もあろうか、と奥山の庚申塚に一人立って、二十六夜の月の出を待った事さえあるんです。 トこの間....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
分をつけ参らせ候。 そうした手紙を、やがて俊吉が受取ったのは、五重の塔の時鳥。奥山の青葉頃。…… 雪の森、雪の塀、俊吉は辻へ来た。 五 八月....
死者の書」より 著者:折口信夫
、躑躅が燃え立った。足も行かれぬ崖の上や、巌の腹などに、一群一群咲いて居るのが、奥山の春は今だ、となのって居るようである。 ある日は、山へ山へと、里の娘ばかりが....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
けねえ。おめえの顔にちゃんと書いてある。娘と番頭は前から打ち合わせがしてあって、奥山の茶屋か何かで逢ったろう。どうだ」 お竹は隠し切れないでとうとう白状した。....
諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
。こんな子供の玩具にも、時節の変遷が映っているのですからな。僕の子供の頃の浅草の奥山の有様を考えると、暫くの間に変ったものです。奥山は僕の父|椿岳さんが開いたの....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
かどらない。もう一里ばかりで下大須へたどり着くころに、九月の十七日は暮れかかって奥山のゆう風が身にしみて来た。糸貫川とは遠く離れてしまったのであるが、路の一方に....
」より 著者:岡本綺堂
けてしまうことにしよう。鯨はとどこおりなく由兵衛の手に渡って、十三日からいよいよ奥山の観世物小屋に晒されることになったが、これはインチキでなく、確かに真物だ。殊....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
庵遊歴雑記』に向嶋の弘福寺が境内寂寞としてただ野猿の声を聞くという記事があるが、奥山の猿芝居の猿の声ではなさそうだ。)また、この鳥越から海が見えるという記事があ....
勘平の死」より 著者:岡本綺堂
前たちも大抵わかったろう。さっきから無暗にしゃべったので、がっかりしてしまった。奥山の豆蔵だって、これだけしゃべれば五十や六十の銭はかせげるのだ。ほんとうにばか....
妖怪学」より 著者:井上円了
心にこれを聴かんとするときは、知らず識らずその方に耳を傾くるに至り、また、浅草の奥山の見せ物などを見るときは、これを見るの一方に意を注ぐをもって、その足の次第に....