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奥様
「奥様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奥様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
けている召使いの老女の言葉であった。
「ああ、今夜もまた寂しいわね。」
「せめて
奥様が御病気でないと、心丈夫でございますけれども――」
「それでも私の病気はね、....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
が車寄《くるまよ》せから、自動車に乗るのを送りに行った。するともう一度後から、「
奥様、旦那様は来月中に、御帰りになるそうですよ。」と、はっきり誰かが声をかけた。....
「或る女」より 著者:有島武郎
りながら、左手を延ばして待っていた。二人がてんでんに切符を出そうとする時、
「若
奥様、これをお忘れになりました」
といいながら、羽被《はっぴ》の紺の香《にお》....
「或る女」より 著者:有島武郎
のです。しかしこれからがあなたは御大抵《ごたいてい》じゃこざいませんね。あちらの
奥様の事など思いますと、どちらにどうお仕向けをしていいやらわたしにはわからなくな....
「星座」より 著者:有島武郎
おせいは貧乏籤《びんぼうくじ》をひいた。露ほどの覚えもないことをひがんで取って、
奥様一流の針のような皮肉で、いたたまれないほど責めさいなむのだった。これが嵩《こ....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
、 「そんなものがあるものかね。」 「そんなものとは?」 「貴下《あなた》、まだ
奥様《おくさん》はお持ちなさりませんの。」 と女房、胸を前へ、手を畳にす。 ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
で、二階から下りたお源という、小柄の可い島田の女中が、逆上せたような顔色で、 「
奥様、魚屋が参りました。」 「大きな声をおしでないよ。」 とお蔦は振向いて低声....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
ないのでございます。若様、かねてのお望みが叶いまして、今夜お輿入のございます。若
奥様が、島田のお髪、お振袖と承りましたから、私どもは、余計そのお姿のお目立ち遊ば....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
て行きます。夢のようにそのあとへついて、やがて門札を見ると指した家で。 まさか
奥様に、とも言えませんから、主人に逢って、――意中を話しますと―― (夜中何事で....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
た円髷を俯向けに、揉手でお叩頭をする古女房が一人居た。 「さあ、どうぞ、旦那様、
奥様、これへお掛け遊ばして、いえ、もう汚いのでございますが、お立ちなすっていらっ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
んと言うんで、申さずとも娘ッ子じゃありません、こりゃ御新姐……じゃあねえね――若
奥様。」 五 峰の白雪、麓の氷、 今は互に隔てていれど、 やがて嬉....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
雑が、おかしそうに、莞爾する。 女中はまた遊ばれると思ったか、同じく笑い、 「
奥様、あの唯今のお客様のでございます。」 「お客だい、誰も来やしないよ、お前。」....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、諸君に対して、とてもこのまま、棹を掉っては帰られん。 釣を試みたいと云うと、
奥様が過分な道具を調えて下すった。この七本竹の継棹なんぞ、私には勿体ないと思うた....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
相談のある、黒百合の話も徒為になりやしないかね。仏蘭西の友達に贈るのならばって、
奥様も張込んで、勇美さんの小遣にうんと足して、ものの百円ぐらいは出そうという、お....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
ておやんなすったら、じいさん涙を落して拝んで喜びましたって、そうして、 (ああ、
奥様、私は獣になりとうございます。あいら、皆畜生で、この猿めが夥間でござりましょ....