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奥行
「奥行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奥行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
竟そこに見出されるものは、静止であり、結果であり、死に近づきつつあるものであり、
奥行のない現象である。私は謂わば地球の外部だ。単純に見るとそこには渾沌と単一とが....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
お妾でさえこのくらいだ。」と言って私を見せてやります方が、上になお奥さんという、
奥行があってようございます。――「奥さんのほかに、私ほどのいろがついています。田....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
ってみると、そこは何の変哲もないカフェだった。広いと思ったのは、表だけで、莫迦に
奥行のない家だった。帆村は先登に立って、ノコノコ三階まで上った。各階に客は四五人....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
てあったのである。壁は刑事の手に依って扉の如く左右に押し開けられ、忽ち間口一|間
奥行三尺ばかりの押入れが現われた。その押入れの中央に仏壇の様に設置してある大冷蔵....
「海底都市」より 著者:海野十三
た。彼がそれをすぐ横の壁にさしつけると、壁はとろとろととろけるようになくなって、
奥行十メートルばかりの、われわれが立って歩けるぐらいのトンネルがあいたではないか....
「恐竜島」より 著者:海野十三
。そのあたりは、やや高くなり、壁も垂直に削《けず》ってあったが、ほりにくいせいか
奥行のせまい棚《たな》のようになっていた。 ケンは、いちばん奥のところへあぐら....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
額はずいぶん大した彫物細工であった。額の奥から、一番前に出ている陽明門の廂まで、
奥行が二寸あまりもあって、極めて繊細な彫がなされてあった。これはよくある一枚彫な....
「地球要塞」より 著者:海野十三
あった。 昼寝をしていた魚が、びっくりして、中から飛び出してきた。 洞穴は、
奥行が、二百メートルばかりもあって、奥はなかなか広くなっている。そこまで入ってい....
「火星兵団」より 著者:海野十三
なにせまいのだろうかと、考えなかったかね。また、なぜ、こんなにトンネルのように、
奥行ばかりふかいのだろうかと、うたがわなかったかね」
博士は、そういって、新田....
「転機」より 著者:伊藤野枝
まるようになった処が開いている。他は三方とも板で囲われている。覗いて見ると、家の
奥行きは三間とはない。そこの低い床の上に五六枚の畳が敷かれて、あとは土間になって....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
、葵の上などという執着の深いものは、立方禁制と言渡されて、破門だけは免れたッて、
奥行きのある婦ですが……金子の力で、旦那にゃ自由にならないじゃなりますまいよ。」....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
との隔てがあったし、余り人づきあいをしないといった風で。出入も余計なし、なおさら
奥行が深くって、裏はどこの国まで続いているんだか、小児心には知れないほどだったか....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
模様を知ることができました。岩屋は可なり巨きなもので、高さと幅さは凡そ三四|間、
奥行は十|間余りもございましょうか。そして中央の所がちょっと折れ曲って、斜めに外....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
ちまち未荘の女部屋の奥に伝わった。未荘では錢趙両家だけが大家で、その他はたいてい
奥行が浅かった。けれども女部屋はつまり女部屋であるから一つの不思議と言ってもいい....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
を拝するに異ならず。 大本山の名はサンピエトロ寺という世界第一の大堂なり。その
奥行き百十六間、中央左右の長さ六十五間、堂の絶頂の高さ二百十六間なり。その建築の....