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奪衣婆
「奪衣婆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奪衣婆の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
笑った。歯が三たび光った。番新がつと僕の傍に寄った。 「あなたお足袋を」 この
奪衣婆《だついばば》が僕の紺足袋を脱がせた手際は実に驚くべきものであった。そして....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、彼が引越して来る少し前に乞食の焚火から焼けて了うて、木の閻魔様は灰になり、石の
奪衣婆ばかり焼け出されて、露天に片膝立てゝ恐い顔をして居る。鎮守八幡でも、乞食の....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
へん、どれほど、黄金を積んだとて、可愛い子はかえらぬぞ! この長崎屋、ちゃんと、
奪衣婆《だつえば》の手に渡してしまったのじゃ! ふ、ふ、ふ、あの子が生れたときに....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
雪女細い声。 「はい……冷とうござんすわいな。」 「ふん、それはな、三途河の
奪衣婆に衣を剥がれて、まだ間が無うて馴れぬからだ。ひくひくせずと堪えくされ。雪女....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て勢州に至り、尾張、三河、遠江《とおとうみ》、そこの狩宿に十王堂を建て、十王尊と
奪衣婆《だつえば》を納め、駿河《するが》の随所に作物を止めて、興津《おきつ》から....
「七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
真っ黒な額に白髪が乱れかかり、目がぎょろりとしてるところは、葬頭河《そうずが》の
奪衣婆を男にしたようで、いかにも物凄く、広々とした江上に漕ぎ出した時はさすがに少....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
のめぐりには堀あり。塚の上には石あり。これを掘れば祟ありという。 ○ジョウズカの
奪衣婆の話などと関係あること『石神問答』に詳にせり。また象坪などの象頭神とも関係....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
ことが、一つの原因であったかも知れません。お寺ではこのこわい顔をした婆のことを、
奪衣婆といっております。地獄の途中の三途河という川の岸に関をすえて、この世から行....