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「奮う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奮うの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
やむ。もしいささかも採るべきありと見れば、他の工夫処方の如何《いかん》を顧みず、奮うて自家独見の発明に従事する。前日ス氏来訪された時、予が従来与えた書信をことご....
十二支考」より 著者:南方熊楠
暇《いとま》なきに乗じ兵を発して趙の都邯鄲を囲んだというので、セルヴィアの狂漢が奮うて日本に成金が輩出したごとく、事と事が間接に相因るを意味す。インドにも右様の....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
は出来ません。進み進んで、出来る、出来ない、成就不成就の紙|一重の危い境に臨んで奮うのが芸術では無いでしょうか。」 「そりゃそういえば確にそうだが、忍術だって入....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
さ。これをこう着用して、馬に跨《またが》って先登に立つと、三軍の士気がおのずから奮う、その点もダンブクロとは威力が違う、飾り物でもなんでも、この甲冑というやつは....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に突入しつつある――頑鈍一事の世に奉ずるに足るものなきを憾《うら》みつつも、自ら奮うの心を以てここにこの巻の筆を置く次第になん。時|恰《あたか》も臘八《ろうはち》の日。....
盈虚」より 著者:中島敦
、誠に稀に見る逸物である。後宮に立入らぬ日はあっても、衛侯が此の※の毛を立て翼を奮う状を見ない日は無かった。 一日、城楼から下の街々を眺めていると、一ヶ所甚だ....
寒中滞岳記」より 著者:野中至
事のみなれば、この前途|如何《いか》にあるべきかといささか心痛せしが、ここぞ勇を奮うべき時ぞと奮発し、幸い近所合壁はなし、ただ一人故障をいう者もなければ、それよ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、陛下の御ためとか、あるいは自分の奉ずる正しい主義のためとか、そういう確信を以て奮う勇気は、常に正々堂々として世の亀鑑となり、しかもその勇気は、撓まず滅せず、い....
三国志」より 著者:吉川英治
こに初めて、敗戦を知った。一方的勝利のみを克ち獲ていたのでは、真の戦争観もそれに奮う力も生じてこない。 孔明は、われ自身を侮蔑するが如く、唇をかんで呟いた。 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、菊水旗の御遺志は、いよいよ御後室と御遺子にかけてまで燿かしい」 と、いちばい奮う一族もあったが、また中には、 「いや湊川の御遺志とは、本来、こうなることでは....
黒田如水」より 著者:吉川英治
とを逡巡したり卑屈な弁解を考えてみたりする信長ではなかった。信長にとって常に心の奮うものは眼前の百難を克服することと将来の構想であって、彼にとって最も興味のうす....