女らしい[語句情報] »
女らしい
「女らしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
女らしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
いよ執拗《しゅうね》く黙ってしまう。そういう時は、必ず垢《あか》じみた彼女の顔に
女らしい血の色がさして、いつか睫毛《まつげ》にも、涙がたまって来る。盗人たちは、....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
り」と思っているらしい。
女の顔
女は情熱に駆られると、不思議にも少
女らしい顔をするものである。尤《もっと》もその情熱なるものはパラソルに対する情熱....
「或る女」より 著者:有島武郎
見た。遠く遠く来たという旅情が、さすがにしみじみと感ぜられた。しかし葉子の目には
女らしい涙は浮かばなかった。活気のずんずん回復しつつあった彼女には何かパセティッ....
「或る女」より 著者:有島武郎
と明らかにいってはくれないのだ。いってさえくれれば自分にだって恋する男に対しての
女らしい覚悟はある。別れろとならばきれいさっぱりと別れても見せる。……なんという....
「星座」より 著者:有島武郎
のように青ざめた。俯向けた前髪が激しく震えだした。今度こそは真から腹を立てて、貞
女らしい口をきくだろう、そう渡瀬が思っていると、おぬいさんは忙《いそ》がしく袂を....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
ょいと驚いたらしかった。が、相手の上官の小言を言わないことを発見すると、たちまち
女らしい微笑を浮かべ、怯ず怯ず彼の言葉に答え出した。……しかしその若い楽手ももう....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
交る交る襲って来た。不安が沈静に代る度にクララの眼には涙が湧き上った。クララの処
女らしい体は蘆の葉のように細かくおののいていた。光りのようなその髪もまた細かに震....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
が、約束通り、とととと、どど、ごろごろと、且つ乱れてそこへ響く。……幽に人声――
女らしいのも、ほほほ、と聞こえると、緋桃がぱッと色に乱れて、夕暮の桜もはらはらと....
「古狢」より 著者:泉鏡花
だそうであるから、ただ名古屋の客として。……あとを続けよう。 「――みんな、いい
女らしいね。見た処。中でも、俵のなぞは嬉しいよ。ここに雪形に、もよ、というのは。....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
言を吐け、とお叱りを受けようと思いますのは、娼妓でいて、まるで、その婦が素地の処
女らしいのでございます。ええ、他の仁にはまずとにかく、私だけにはまったくでござい....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
思う所の、物干の上にあがって、霞を眺めるらしい立姿の女が見えた。それがどうも同じ
女らしい。ロハ台を立って、柳の下から乗り出して、熟と瞻る内に、花吹雪がはらはらと....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
に」云々の語法は、今もなお上品な物言の婦人に用いられている。雨夜の品定に現われた
女らしい論理が、いかにもそれに相応した言葉で、畦織のように示された所を見れば、こ....
「京のその頃」より 著者:上村松園
。 その頃の稽古物はみな大抵地唄だったが、やあさんのお母さんという人がやさしい
女らしい人だったが三味線がうまくて、よく母娘で琴と三味線の合奏やら、お母さんの三....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
花に縋ったようなのは、――島田髭に結って、二つばかり年は長けたが、それだけになお
女らしい影を籠め、色香を湛え、情を含んだ、……浴衣は、しかし帯さえその時のをその....
「大田垣蓮月尼のこと」より 著者:上村松園
集まる勤皇の志士から慈母のごとく慕われたが、自らは聊も表立つことはなく、あくまで
女らしい床しさに終始した。あの毅然たる中に持ちつづけた
女らしい床しさこそ、私達が....