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女体
「女体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
女体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女体」より 著者:芥川竜之介
る事が出来たのである。
しかし、芸術の士にとって、虱の如く見る可きものは、独り
女体《にょたい》の美しさばかりではない。
(大正六年九月)....
「富士」より 著者:岡本かの子
岳が翁の眼に悲しく附き纏《まと》う。 奇妙な形をしたいろいろの巨きな岩、滝――
女体の峯から戻って来る道には、そういう目の慰みになるものもあった。虫を捉えて食べ....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
の女と見えた。 だが、次の瞬間、僕はそれを早速訂正しなければならなかった。 (
女体らしい。しかしそれは絶対に人間ではない!) 絶対に人間ではありえないのだ。....
「春昼」より 著者:泉鏡花
に黒髪は霜と消え、袖裾も苔と変って、影ばかり残ったが、お面の細く尖った処、以前は
女体であったろうなどという、いや
女体の地蔵というはありませんが、さてそう聞くと、....
「超人間X号」より 著者:海野十三
験的に二つの人造人間をこしらえることにした。甲号は男体《だんたい》であり、乙号は
女体《にょたい》に作りあげることになった。 仕事は、さっそくはじめられた。谷博....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、擬勢は示すが、もう、魚の腹を撲りつけるほどの勇気も失せた。おお、姫神――明神は
女体にまします――夕餉の料に、思召しがあるのであろう、とまことに、平和な、安易な....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
なって、白い梟、化梟、蔦葛が鳥の毛に見えます、その石段を攀じるのは、まるで幻影の
女体が捧げて、頂の松、電信柱へ、竜燈が上るんでございました。 上り果てた時分に....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
いそこに掛けた、一面墨絵の額、いや、ざっと彩った絵馬のごとく望まるる。 明神は
女体におわす――爺さんがいうのであるが――それへ、詣ずるのは、石段の上の拝殿まで....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
、我ながらあんまりな慌て方、此方こそ異形を扮装をしましたけれども、彼方は何にせよ
女体でござる。風説の通り、あの峠茶屋の買主の、どこのか好事な御令嬢が住居いたさる....
「伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
を縮めて寄せ合い背部をくねらせて、肩と肩に載せ合った手。黒と茶色の服の色の交錯は
女体と男体を、突差にはっきり区別させない。二人とも深く冠った帽子のふちで人のけは....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
―それは、眼前の渚に遊ぶ一個の人魚を見たからであった。 上半身は、それは美しい
女体であるけれども、腰から下は暗い群青色に照り輝いて、細っそりと纏った足首の先に....
「秋の筑波山」より 著者:大町桂月
新しく処々に立てられたる木標の示す所によれば、男体山まで廿一町廿三間、男体山より
女体山まで八町、
女体山より廿五町半、往復都合|凡そ五十五町也。それを朝七時に宿を....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
顔を見たばかりで、心も、身も、命も、信心が起るのじゃと申されます。――わけて、御
女体、それはもう、端麗微妙の御面相でなければあいなりません。――……てまいただ、....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
どうか知りませんが、加賀越中には、処々法華宗の寺に祭ってあります。いずれも端麗な
女体です。 多くは、川裳を、すぐに獺にして、河の神だとも思っていて、――実は、....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
る。彦少名命を祀るともいうし、神功皇后と応神天皇とを合祀するともいうし、あるいは
女体であるともいうが、左に右く紀州の加太の淡島神社の分祠で、裁縫その他の女芸一切....