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女房
「女房〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
女房の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
送って、これから家へ帰った時に、曲亭先生に遇《あ》ったということを、どんな調子で
女房に話して聞かせようかと考えた。
四
柘榴口の中は、夕方のよう....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
て一人の教員が申しますには、中町《なかまち》とかの備後屋《びんごや》と云う酒屋の
女房は、一旦|梁《はり》の下敷になって、身動きも碌《ろく》に出来なかったのが、そ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ろ凶《わる》い兆《しらせ》がございました。中でも殊に空恐ろしく思われたのは、ある
女房の夢枕に、良秀《よしひで》の娘の乗ったような、炎々と火の燃えしきる車が一輛、....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
前も知らなければ、居所《いどころ》も知らない。それ所か、国籍さえわからないんだ。
女房持か、独り者か――そんな事は勿論、尋《き》くだけ、野暮《やぼ》さ。可笑しいだ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
れてから、厩橋《うまやばし》向うの本宅を抜けて来る事も稀ではなかった。牧野はもう
女房ばかりか、男女《なんにょ》二人の子持ちでもあった。
この頃|丸髷《まるまげ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
た。紋《もん》を染めた古帷子《ふるかたびら》に何か黒い帯をしめた、武家《ぶけ》の
女房らしい女である。これはまだ三十代であろう。が、ちょいと見たところは年よりはず....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
したのは、古狐《ふるぎつね》と云う渾名《あだな》のある、狡猾《こうかつ》な医者の
女房です。
「それはうちへおよこしよ。うちにいれば二三年|中《うち》には、きっと....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
。おれはこの島に渡って以来、何が嬉しかったか知っているか? それはあのやかましい
女房《にょうぼう》のやつに、毎日|小言《こごと》を云われずとも、暮されるようにな....
「運」より 著者:芥川竜之介
ら聞えて来る。往来の人通りも、暫くはとだえたらしい。
「人を殺したって、物盗りの
女房になったって、する気でしたんでなければ仕方がないやね。」
青侍は、扇を帯へ....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
べでら》の賓頭盧《びんずる》の後《うしろ》の山に、物詣《ものもう》でに来たらしい
女房が一人、女《め》の童《わらわ》と一しょに殺されていたのは、こいつの仕業《しわ....
「百合」より 著者:芥川竜之介
二人はやっと掴《つか》み合いをやめた。彼等の前には薄痘痕《うすいも》のある百姓の
女房が立っていた。それはやはり惣吉《そうきち》と云う学校友だちの母親だった。彼女....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
た老僕なのでございます。私が三浦へ嫁いだ頃は五十|歳位でもあったでしょうが、夙に
女房に先立たれ、独身で立ち働いている、至って忠実な親爺さんでした。三浦へも所中泊....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
きて伯父の手紙を渡せば、その人は受取りて表書の名を見るより涙を溢して悦び、口早に
女房にも告げ神仏の来臨の如く尊敬して座敷へ通し、何はさて置き伯父の安否を問い、幾....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
普通にはその名で知られている。聞くところによれば、この名は、そのむかしこの近隣の
女房たちがつけたもので、市場のひらかれる日に亭主連が村の居酒屋のあたりをぶらつい....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
ない、子供の顔を見ないでは夜も日も明けないと云う可愛がり方。そして、車大工とその
女房は、交わるがわるその一粒種を手にとって、撫でたり擦ったりしていた。 その子....