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「女気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

女気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
捨児」より 著者:芥川竜之介
云う名をつけて、わが子のように育て始めました。が、何しろ御維新《ごいしん》以来、女気《おんなけ》のない寺ですから、育てると云ったにした所が、容易な事じゃありませ....
牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
「綿貫君、君はどうだね?」と竹内が訊ねた。 「イヤお恥しいことだが僕は御存知の女気《おんなけ》のない通り詩人気は全くなかった、『権利義務』で一貫して了った、ど....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
をそばだてるのです、むろんのこと、そこには小さいながらも鐘楼があって、給仕は全部女気ぬきの十二、三くらいな小坊主ばかり。料理、器物、いっさいがっさいがまたお寺に....
山県有朋の靴」より 著者:佐々木味津三
ち、三日となっても、有朋は顔さえみせなかった。 気保養と称して、この三めぐりの女気のない、るす番のじいやばかりの、この別荘へやって来て、有朋がこんな風にいく日....
シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
はッ」 彼は当惑そうに顔をあげて隊長を見た。 「こう毎日毎日、単調な原ッぱを、女気なしに汗臭い輜重車を引きずり廻して暮すんじゃ、面白うないわい」 そして隊長....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
で、楽しい酒宴の座へも出ず好きな狩猟さえ止めてしまった。 十年前に妻を死なせ、女気といえば娘ばかり、その娘に逃げられた今は家には杉右衛門ただ一人。時々同じ愁い....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
……観音様。」 お誓が、髪を長く、すっと立って、麓に白い手を合わせた。 「つい女気で、紅い切を上へ積んだものですから、真上のを、内証で、そっと、頂いたんです。....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
来るにつけ、わたしが足らぬ、つり合い足らぬと他の人達に思われ云われはせぬかという女気の案じがなくも無いので、自分の事かしらんとまたちょっと疑ったが、どうもそうで....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
犬の妾になるだろうと謂われるほど、その緋の袴でなぶられるのを汚わしがっていた、処女気で、思切ったことをしたもので、それで胸がすっきりしたといつか私に話しましたっ....
天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
別嬪? 贅沢を云うな。そこに美少年がいるじゃ無いか」腹中の声は笑っています。 「女気が無いと寂しくて不可」 「よしよし夫れじゃ出してやろう」 腹中の声が終える....
」より 著者:岡本かの子
ぶっ倒れるような音がした。うお――と男患者の唸り声。やや離れた処で、ひい、ひいと女気違いの奇声を挙げるのが聞えて来た。 加奈子はうろたえた。そして、あの若い看....
夜光虫」より 著者:織田作之助
うに云った。 「――二階を貸してやるというので、これ倖いとついて行ったら、なんと女気なしの針助の一人世帯、ちいと薄気味わるかったけど、今時空間なんて貸してくれる....
活人形」より 著者:泉鏡花
。) かくて下枝は滑川の八橋楼の裏手より、泰助の座敷に入りたるが、浮世に馴れぬ女気に人の邪正を謀りかね、うかとは口を利かれねば、黙して様子を見ているうち、別室....
五重塔」より 著者:幸田露伴
と悟って、恩あるその人の敵に今は立ち居る十兵衛に連れ添える身の面を対すこと辛く、女気の繊弱くも胸をどきつかせながら、まあ親方様、とただ一言我知らず云い出したるぎ....
女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
く見える人が変な事を言うと思ったのである。書記等は多分これはどこかから逃げて来た女気違だろうと思った。 女房は是非縛って貰いたいと云って、相手を殺したという場....