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女竹
「女竹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
女竹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
さ。それを芭蕉が使って吟じたのだな。確か芭蕉だと思った」 「では私たちは男竹斎に
女竹斎ですか」 「まあ、そんなところだろう」 私たちの結婚も昂揚時代というもの....
「阿部一族」より 著者:森鴎外
《ふじひめ》は松平|周防守《すおうのかみ》忠弘《ただひろ》の奥方になっている。二
女竹姫はのちに有吉《ありよし》頼母《たのも》英長《ひでなが》の妻になる人である。....
「心中」より 著者:森鴎外
客を通す八畳の間が両側に二つずつ並んでいてそのはずれの処と便所との間が、右の方は
女竹《めだけ》が二三十本立っている下に、小さい石燈籠《いしどうろう》の据えてある....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
た取るほどの働のあるはずがない。 幸《さいわい》と藤尾がいる。冬を凌《しの》ぐ
女竹《めだけ》の、吹き寄せて夜《よ》を積る粉雪《こゆき》をぴんと撥《は》ねる力も....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
と呼んだ。吾一は居所も分らない蛸をむやみに突き廻した。突くには二間ばかりの細長い
女竹《めだけ》の先に一種の穂先を着けた変なものを用いるのである。船頭は桶を歯で銜....
「一夜」より 著者:夏目漱石
にやら葉巻を鷹揚《おうよう》にふかしている。 五月雨《さみだれ》に四尺伸びたる
女竹《めだけ》の、手水鉢《ちょうずばち》の上に蔽《おお》い重なりて、余れる一二本....
「蟇の血」より 著者:田中貢太郎
門燈が光っていたが、それは針金の網に包んだ円い笠に被われたもので、その柱に添うて
女竹のような竹が二三本立ち、小さなその葉がじっと立っていた。ふと見るとその電燈の....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
を横に潜って、彼の家の下の谷を其南側に添うて東へ大田圃の方へと流れて居る。最初は
女竹の藪の中を流れ、それから稀に葭を交えた萱の茂る土堤の中を流れる。夏は青々とし....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
島には沢山青いゴリがなった。城山へ遠足に行った時なんか、弁当を開くと、裏で出来た
女竹《めたけ》の煮たのが三切れはいっていて、大阪の鉄工場へはいっていた両親を、ど....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
あろう。わが邦にそんな実例のあった由を聞かねど、加賀騒動の講談に大槻蔵人一味の老
女竹尾が彼輩姦謀|露《あら》われた時蛇責めに逢うたとあるは多分虚譚であろう。大水....
「芽生」より 著者:宮本百合子
来るかと思って不安心だし、下絵の出来て居る絵の色の工夫も気にかかる。「第一うちに
女竹がないからいけないんだ。黒猫ばっかりもらったって何にもなりゃしない」一人ごと....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
いで土間におり、門口を出たが、足はひとりでに墓地に向かっていた。 墓地をかこむ
女竹林は、暮近い風に吹かれて、さむざむと鳴っていた。次郎は、母の墓がきょうは妙に....
「狐狗狸の話」より 著者:田中貢太郎
した時、水夫の一人がそれを伝えたと云われている。 コクリの遊戯をするには、まず
女竹を見つけて来て、節を揃えて一尺二寸に切った物を三本作り、それを交叉して中心を....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
、柴垣氏の報知によるに、やや以上の仕方と異なるところあれば、左に掲ぐ。 (前略)
女竹三本を節込みにて鯨尺一尺四寸四分にきり、これを上より全長の十分の三、下より十....
「志士と経済」より 著者:服部之総
いたものの、まだ二十歳に足らぬ女で、どうするだろうと危ぶんでおった。そのうちに長
女竹子をあげる(弘化三年)、家はますます貧乏になる、たった二畳敷の浪宅に親子三人....