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奴さん
「奴さん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奴さんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老年」より 著者:芥川竜之介
だってことよ。そう泣いてばかりいちゃあ、仕様ねえわさ。なに、お前さんは紀の国屋の
奴さんとわけがある……冗談云っちゃいけねえ。奴のようなばばあをどうするものかな。....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
莉ベソをかいてやがったから、だらしがねえぞ、ゴムまりが泣くぞ。こう言ってやると、
奴さん、いきなりおれの手を掴んで、――おれ、照れたよ。京極の真中だろう……?」 ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
がないらしいんだ。それがあやしい。社の創立当時のことだがね、丁度夏だったもんで、
奴さん褌一つで駆けずりまわる――のはおかしいか。駆けずりまわるときはさすがに洋服....
「わが町」より 著者:織田作之助
うところが良いじゃないか。もっとも、あんたはどっか苦味走ったところがあるからね、
奴さん相当眼が高いよ」 玉堂が言うと、他吉はぷっとふくれた。 「年甲斐もないち....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ると機胴の扉があいて、一人の長髪の男が顔をだした。彼は手を振って、 「大丈夫だ。
奴さんはもうあばれる力なんかないよ」 といった。この男は、生駒の滝の前で、縄ば....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
へんだなあという一件が」 「そんなこと、分かるものか。早くしゃべれ」 「それは、
奴さんのたおれた場所に、きれいな花が、ばらばらと落ちていたんだ。だから、
奴さん、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ねえをあらわして、さも嬉しそうに難有え、苦労させるなんて弱い音を出して御覧じろ、
奴さんたちまちなめッちまいますぜ。殊に貴方だ、誰だと思ってるんだ、お言の一ツも懸....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
あれば、一日もこの船などにとどまってはいないのだが、と言っている。 実際、あの
奴さん、ほんとうに怖気がついているのである。そこで、私は今朝あいつを落ち着かせる....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
には、僕の知ってる男で、嘘じゃない、六十回見合いをした奴がいます。それというのも
奴さんも
奴さんだが、
奴さんのおふくろというのが俗にいう女傑なんで、あれでもなしこ....
「電報」より 著者:織田作之助
このこ家の中へはいった。一時間して照井が帰って来た。白崎とは駅まで一緒だったが、
奴さん、改札口で手間取っているから置いて来たと照井は笑った。白崎は半時間経って帰....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
角の交番へ届けに行こうというんでしょう。 この頃は閑だからと、早速がりを食って
奴さん行処なし、飲んだ揚句なり、その晩はとうとうお宮の縁の下に寝ましたッさ。この....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
だけのことであったが、なにしろ今までわたしをよろこばせた、かの定さんの茶番や、大
奴さんのお浚いとは、全然比較にならないほど壮大華麗な舞台面が、わたしの眼の前にそ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
がる。ままよ毒喰わば皿迄と、我が突殺したのだ。「それは好うございました。「すると
奴さん苦しいものだから、拳でしっかりとこの通り短刀の柄を握ったのよ。「体の可い自....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
大喜びだ。 「あの狒々の野郎うまくやってやがらあ」 「真物かな」 「さあ?」 「
奴さん、なかなか味をやるじゃねえか」 「しかし――。巧いぞ、男かね、女かね」 「....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
物好きだって、あんな凄い女は真平だ。情夫の方がぺこぺこして、女に使われていたぜ。
奴さん、宮岡警部に写真|酷似に変装してやがった。二人宮岡警部が出来ちゃって、どっ....