奴婢[語句情報] »
奴婢
「奴婢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奴婢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ら這入ったこの芸術は永くその伝統から遁れ出ることが出来ないで、その色その面を形の
奴婢にのみ充てていた。色は物象の面と空間とを埋めるために、面は物象の量と積とを表....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
殿。) と捲し掛けて、 (ここには見えぬ、なれども、殿たちの妻、子、親、縁者、
奴婢、指さっしゃれば、たちどころに奪って見しょう。) と言語道断な事を。 と....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
叶はぬ習とは知りながら、今の如くにして公家一統の天下ならば、諸国の地頭御家人は皆
奴婢|雑人の如くにてあるべし」 と、その当時武士の実状を述べて居る。 其の上、....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
す時、磯に倒れて悲しもうが、新しい白壁、艶ある甍を、山際の月に照らさして、夥多の
奴婢に取巻かせて、近頃呼入れた、若い妾に介抱されていたではないのか。なぜ、それが....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
容るるを忘れたりとて既に玄関まで出でたる身の、一人書斎に引返しつ。 叔母とその
奴婢の輩は、皆玄関に立併びて、いずれも面に愁色あり。弾丸の中に行く人の、今にも来....
「死者の書」より 著者:折口信夫
めの間も、うとうとして居た僧たちは、爽やかな朝の眼を※いて、食堂へ降りて行った。
奴婢は、其々もち場持ち場の掃除を励む為に、ようべの雨に洗ったようになった、境内の....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
善太夫 などと見えている。下人や名子は他人に所属するもので、大宝令に所謂|家人
奴婢に相当するものなるが故に、間人よりも一層社会的地位の低いものと認められ、した....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
られる。 生きた人間に対して提供せられる犠牲は生きたままの人間で、或いはこれを
奴婢とし、或いはこれを妻妾とするのであるが、既に伝説化して人間社会以外に脱出し、....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
所謂穢多や非人とは違うのでありまして、その主なるものは、先刻申した家人、その次に
奴婢というのがあります。これを区別すれば、家人は主家とは別に一家をなすもの、
奴婢....
「エタと非人と普通人」より 著者:喜田貞吉
れば、ただちに普通人に混じたのも多かろう。平安朝の社会状態を調査した者は、家人・
奴婢の徒が立身出世して、社会の有力者となったものの少からぬことを容易に認めるであ....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
今で云えば侍者すなわち給仕である。昔は高年者に「侍」を賜うという事もある、家人・
奴婢等がその主人に侍し、その用務を弁じ、その護衛に任ずるもの、これすなわち侍であ....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
ろに死を待たしめるという習慣は、昔は各地にこれを見たものだ。恢復の見込みのない病
奴婢を路傍へ捨つるというような無慈悲の所行までが、しばしば行われたような昔の時代....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
り、半自由民の地位にあったものを解放して、公民すなわち「百姓」となしたに止まり、
奴婢階級の賤民の如きは、相変らず新法の上に認められたのであった。大化元年の詔の中....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
坂の年寄中島氏のもといたという笹鉾町の由来を考うるに、『坊目考』に、「先年東大寺
奴婢の所在なり」とあって、はるかに遠い時代にその起原を有するらしくも思われる。興....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
扱いになりました。 賤民とは、大体において奴隷階級のもので、国法上には、家人、
奴婢、陵戸の三つに分かれていました。むろん良民と通婚することも許されず、社会的に....