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奸
「奸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
釈迦《しゃか》の教である。ある仏蘭西《フランス》のジェスウイットによれば、天性|
奸智《かんち》に富んだ釈迦は、支那《シナ》各地を遊歴しながら、阿弥陀《あみだ》と....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
《ロシア》の旗を持っているのです。」
旅団長も何か浮き浮きしていた。
「つまり
奸佞邪智《かんねいじゃち》なのじゃね。」
「そうです。煮ても焼いても食えないので....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
いろ》の顔が真直に肩の上に乗っていた。当惑した野獣のようで、同時に何所《どこ》か
奸譎《わるがしこ》い大きな眼が太い眉の下でぎろぎろと光っていた。それが仁右衛門だ....
「蠅男」より 著者:海野十三
匍いあがっても、僕たちに乗り物のないことを知っているんだ。まるで、ジゴマのように
奸智にたけた奴……」 と、そこまで云った帆村は、急に言葉を切った。そして長吉の....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
微妙な自己曝露のような気がしたので、あれを僕の神経だけに伝えたのにも、なんとなく
奸計がありそうに思われたからなんだよ。第一犯人が、それほど、犯行を急がねばならぬ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
盗んだ品を獄卒に贈ったものと知られた。趙尚書は明察の人物であったが、遂に我来也の
奸計を覚らなかったのである。 獄卒はやがて役を罷めて、ふところ手で一生を安楽に....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
察使となった。 その当時、武平県の農民|劉義という者が官に訴え出た。自分の嫂が
奸夫と共謀して、兄の劉|成を殺したというのである。県の尹を勤める丁欽がそれを吟味....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
障子が顕われて、消えた。……思え、講釈だと、水戸黄門が竜神の白頭、床几にかかり、
奸賊紋太夫を抜打に切って棄てる場所に……伏屋の建具の見えたのは、どうやら寂びた貸....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
たりしにもかかわらず、従兄妹同士が恋愛のいかに強きかを知れるより、嫉妬のあまり、
奸淫の念を節し、当初婚姻の夜よりして、衾をともにせざるのみならず、一たびも来りて....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
だその外にも僕はいろいろの原因から、どうも俳人と云うものは案外世渡りの術に長じた
奸物らしい気がしていた。「いやに傲慢な男です」などと云う非難は到底受けそうもない....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
としたらどうだろうか。三伝が生きて――もしそうだとしたら、たぶんあるにちがいない
奸黠な綾のなかに、船場の遺書も自分の苦悶も、みな筋書のようにして織り込まれている....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
綾との結婚の為には、邪魔が払えた勘定でもあるので、これは絶対に秘密にという小人の
奸智。 「俊良様、御掛り合で、重々御迷惑とは存じまするが。それ、な、決して、その....
「「草紙洗」を描いて」より 著者:上村松園
無実のぬれ衣を被た小町は、その歌集を洗って、新たに書きこんだ歌を洗いおとし黒主の
奸計をあばくという筋なのです。 この作品はぎりぎりの十月十二日に送り出して辛々....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
ち飲みわけて、 「これは後口がしぶい。国の茶をおまぜやしたな」 といって相手の
奸策を見破るほど鋭敏な舌を持っていた。 ごまかしが利かないとなると、さすがのと....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
い合せてみた時、彼は思わずハッとして唇を噛みました」 「譲治さんは始めて、親友の
奸計にまんまとのったことを、お知りになったのですね?」 「そうです。愛する妻は殺....