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「奸計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奸計の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
微妙な自己曝露のような気がしたので、あれを僕の神経だけに伝えたのにも、なんとなく奸計がありそうに思われたからなんだよ。第一犯人が、それほど、犯行を急がねばならぬ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
。そして夜半にそれに火を点けたのである。 自分の家が焼けて終うと、彼は恐るべき奸計を弄した。即ち彼は私かに密告状を認めて、彼の家の隣人谷田義三が保険金詐取の目....
闘争」より 著者:小酒井不木
僕は言った。 「先生、それでは、北沢氏自身が、二人を罪に陥れるために、そのような奸計をめぐらしたのでしょうか」 「それならばもっと他殺らしい証拠を作って然るべき....
うつり香」より 著者:近松秋江
話していた。 こちらは、柳沢がそんな意地の悪いことをするとは知らないから、胸に奸計を抱いていてお宮を傍に置いていたことはない。柳沢の方じゃそうじゃない。これが....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
盗んだ品を獄卒に贈ったものと知られた。趙尚書は明察の人物であったが、遂に我来也の奸計を覚らなかったのである。 獄卒はやがて役を罷めて、ふところ手で一生を安楽に....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
子も無きに、右膳は愈々勝に乗り、 「故管領殿河内の御陣にて、表裏異心のともがらの奸計に陥入り、俄に寄する数万の敵、味方は総州征伐のためのみの出先の小勢、ほかに援....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
とを、ほとんど気づかないでいた。)それでクリストフは、老人がその粗雑なくだらない奸計《かんけい》を、無駄《むだ》に頭からしぼり出しつくすのを放っておいた。そして....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
した。一人の若い偉大なフランスの芸術家を圧倒するために、手筈《てはず》が定められ奸計《かんけい》がめぐらされたと報じていた。その作品はドイツの大家の意を迎えんた....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
らなお他の証拠も上がった。で警察では三人の浮浪人を逮捕した。そしてブリュジョンの奸計《かんけい》を頓挫《とんざ》せしめたものと思った。 そんな手段がめぐらされ....
処女の木とアブ・サルガ」より 著者:野上豊一郎
ヨハネが蘇えったのだろうといった。最後にキリストがエルサレムに来て、パリサイ人の奸計に陥り、捕えられてローマの太守ピラトの前に引かれると、ピラトは彼をヘロデの手....
小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
も、そう答える。 私は、それらを、みんな、人々が心を合わして、私を惑わしている奸計だと思った。新聞の日附も信用ができず、みんなが、心を合わせて、そこまで綿密に....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
あなたほどのお方もコロリと参ると、心眼も曇るどころか、まるでそれじゃア、真犯人の奸計に乗ぜられるばかりですぞ」 新十郎は虎之介をなだめて、 「いいえ、美しいお....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
年月日を知って、及ぶ限りの綿密な調査をしました。その結果確かに毛沼博士の憎むべき奸計であることが分ったのです。K病院では整形外科の手術室のすぐ前に産室があります....
「草紙洗」を描いて」より 著者:上村松園
無実のぬれ衣を被た小町は、その歌集を洗って、新たに書きこんだ歌を洗いおとし黒主の奸計をあばくという筋なのです。 この作品はぎりぎりの十月十二日に送り出して辛々....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
い合せてみた時、彼は思わずハッとして唇を噛みました」 「譲治さんは始めて、親友の奸計にまんまとのったことを、お知りになったのですね?」 「そうです。愛する妻は殺....