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好い
「好い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
好いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
も今日は礼をしようと思ってやって来た。何か欲しいものがあるのなら、遠慮なく言うが
好い。己は葛城山の手一《てひと》つの神だ。」と言いました。
そうして髪長彦が、....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
のように泣いていました。それがまたなぜだと訊《たず》ねて見ると、わたしはあの女を
好いていない、遊芸を習わせるのもそのためだなぞと、妙な理窟をいい出すのです。そん....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
るのです。私『ところで釣にはいつ出かけよう。』三浦『いつでも君の都合《つごう》の
好い時にしてくれ給え。』私『じゃ僕の方から手紙を出す事にしよう。』そこで私は徐《....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ち》に論理と背馳《はいち》して、彼の行為とその結果のすべてとを肯定するほど、虫の
好い性質を帯びていたからであろう。勿論当時の彼の心には、こう云う解剖的《かいぼう....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ちゃんが今来るとさ。」と云った。
「姉さんはまだ病気じゃないの?」
「もう今日は
好いんだとさ。何、またいつもの鼻っ風邪《かぜ》だったんだよ。」
浅川の叔母の言....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
あいつも見られていることはちゃんと意識しているんだからな。」
「意識していたって
好いじゃないか。」
「いや、どうも少し癪《しゃく》だね。」
彼等は手をつないだ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
黒な婆さんの顔へ、悲しそうな眼を挙げました。 「今夜ですか?」 「今夜の十二時。
好いかえ? 忘れちゃいけないよ」 印度人の婆さんは、脅すように指を挙げました。....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
か何かを材にした句などを好まなかった。こう云う事件は句にするよりも、小説にすれば
好いのにとも思った。爾来僕は久しい間、ずっと蛇笏を忘れていた。 その内に僕も作....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
的な執拗さが潜んでいる。それは江口自身不快でなければ、近代的と云う語で形容しても
好い。兎に角憎む時も愛する時も、何か酷薄に近い物が必江口の感情を火照らせている。....
「格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
ず多少の食慾を感じた。あの顔は頬から耳のあたりをコオルド・ビフのように料理するが
好い。皿に載せた一片の肉はほんのりと赤い所どころに白い脂肪を交えている。が、ちょ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
ど劇しい悲哀にとらわれてしまった。私は自分というものから脱れるためにはどうしたら
好いかと考えてみた。何か物をすることは、何もしずにいることよりもいっそういやなこ....
「初雪」より 著者:秋田滋
ことを云っちゃアいけないよ。じきに慣れるよ。それに、このほうが体のためにゃずッと
好いんだからね。お前だって、もっと丈夫になれるのさ。こんな片田舎のことだ、巴里ッ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
云うよりも、婚約をしたッきりの寡婦、あの少年の寡婦として通して来たと申したほうが
好いのでしょう。私はその少年のあどけない愛情を弄んだのです。それを煽り立てさえい....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
この神を、崇めよ、跪け! 国家は、戸籍を変える権能を持っているために、殺しても
好いのだ、仮にいま二十万人のひとを殺させたとする。すると、国家は戸籍簿からそれら....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
―を書いている奴があるが、あらァ誰かいネ。古い博多の事ばよう知ッとるし、なかなか
好い、博多のモンとありゃ、一体誰じゃろうかい」等と、次兵衛達や、田舎芸術家達の間....