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「好い加減〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

好い加減の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
す。」 「はあ、ゲスタ・ロマノルムですか。」 清水はけげんな顔をしながら、こう好い加減な返事をすると、さっきから鉈豆《なたまめ》の煙管《きせる》できな臭《くさ....
死後」より 著者:芥川竜之介
眺めていた。 「三時だ。」 「もう三時。あたし、まだ一時頃かと思っていた。」僕は好い加減な返事をしたきり、何ともその言葉に取り合わなかった。 「うるさい。うるさ....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
質《ただ》さずに、お島婆さんの家を駈け出したのですから、いくら相手を慰めたくも、好い加減な御座なりを並べるほかは、慰めようがありません。すると新蔵はなおさらの事....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
でになり得ない。モウパスサンは狂人になった。ニーチェも狂人になった。日本の文人は好い加減な処で忽ち人生の見巧者となり通人となって了って、底力の無い声で咏嘆したり....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
しい笑い声を洩らしながら、急に妙子の前へ突っ立ちました。 「人を莫迦にするのも、好い加減におし。お前は私を何だと思っているのだえ。私はまだお前に欺される程、耄碌....
火星の芝居」より 著者:石川啄木
夜が明けるだろう?』 『それどころじゃない、花道ばかりで何年とか費るそうだ』 『好い加減にして幕をあけ給え』 『だって君、何処まで行っても矢張青い壁なんだ』 『....
久米正雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
りません。実生活上の趣味でも田舎者らしい所は沢山あります。それでいて官能だけは、好い加減な都会人より遥に鋭敏に出来上っています。嘘だと思ったら、久米の作品を読ん....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
相成ったが……」 「一ヶ所にても見付かりましたか」 「それが未だじゃ」 「浪人が好い加減の事を申したのでは御座りませぬか」 「いやいや、極めて確かな話じゃ。それ....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
て、それから先へは普通の人の出入を許さないのであった。 入折戸に着くまでが既に好い加減の難所であった。それから蕨峠を越していよいよの三里は、雪が降れば路が出来....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
立てられるか。どちらかに傾くかという、これは大事な別れ目。しかし、それは浪人達が好い加減の出鱈目で、つまりは無銭宿泊の口実に、何か彼か拵え事を云うのであろうとも....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
自分が筆を執る段となると仮名遣いから手爾於波、漢字の正訛、熟語の撰択、若い文人が好い加減に創作した出鱈目の造語の詮索から句読の末までを一々精究して際限なく気にし....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
負であった。追取刀でオイ来たと起上る小器用な才に乏しかった。「間に合わせ」とか「好い加減」とかいう事が嫌いであったし、また出来ない人であった。談話するにさえ一言....
女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
事件について、前以て問題の男に打明ける必要はないと信じます。その男にはわたくしが好い加減な事を申して、今明日の間遠方に参っていさせるように致しました。」 この....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
。ただ、何の事は無い、「素人で左様釣っては、商売人の顔を踏み付けた仕打ちだ、大抵好い加減に釣ってれば好いに」という、強談なのです。』 漁『上手な釣師も険呑だね、....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
とは?」 「川口さんは最初、姉の初子さんに夢中だったんですの。あの方利口者だから好い加減に待遇って搾っていたんですが、私立探偵の山本さんッていうパトロンがある事....