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好く
「好く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
好くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
必要もないと思ったから、僕は勿論僕の妻《さい》も、再三|明日《あした》にした方が
好くはないかと云って見た。しかし千枝子は剛情に、どうしても今日行きたいと云う。そ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
れば、寝返りをするのも楽そうだった。「お肚《なか》はまだ痛むけれど、気分は大へん
好くなったよ。」――母自身もそう云っていた。その上あんなに食気《しょっけ》までつ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
びるような微笑を送りながら、
「何でも最近はどこかのレストランの給仕と大へん仲が
好くなっているそうです。御同様|羨望《せんぼう》に堪えない次第ですがね。」
俊....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
肉薄していた。するとその途端に甕《かめ》が一つ、どこからか彼の頭を目がけて、勢い
好く宙を飛んで来た。が、幸《さいわい》それは狙《ねら》いが外《そ》れて、彼の足も....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
でも結構です。まあ飛んで見せて下さい。 王子 では飛ぶぞ。一、二、三! 王子は勢
好く飛び上る。が、戸口へも届かない内に、どたりと尻餅をついてしまう。 一同どっと....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
何もつかなかった。 「寿座! じゃあの荷車に積んであるのは?」 僕は今度は勢い
好く言った。 「ブリッキ!」 しかしそれはいたずらに先輩の冷笑を買うだけだった....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ラザルスは例の無関心で、大勢のなすがままに任せていたので、たちまちにして如何にも
好く似合った頑丈な、孫の大勢ありそうな好々爺に変わってしまった。ついこの間まで糸....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
話して見ようと思う。 一 まず第一に挙げたいのは、花見時の上野に
好く見掛けたホニホロである。これは唐人の姿をした男が、腰に張子で作った馬の首だけ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
そろそろ時刻になるな、相手はあんな魔法使だし、御嬢さんはまだ子供だから、余程運が
好くないと、――」 遠藤の言葉が終らない内に、もう魔法が始まるのでしょう。今ま....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
けているものがある。おおかた晩に食ったものが消化れないのだろう。 食ったものが
好く消化れると云うことは、人間の生活のうちにあってはなかなか馬鹿にならないものな....
「初雪」より 著者:秋田滋
「馬鹿なことを云っちゃアいけないよ。住めば都さ。見ていてごらん、お前にもここが
好くって
好くって、仕様がなくなっちまうから――。だって、この僕が永年ここで暮して....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
交通がまだ少ない時代であったから、外国の学者に知り合いの出来たことは非常に都合が
好く、自分の研究を大陸に知らせるにも非常な便宜を得た。ことにフランスではアカデミ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
大のものであるに違いない。という訳は、殺すということが、創り出すということに一番
好く似ているからではなかろうか。つくること、滅すこと、この二つの言葉は、この世界....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
珈琲を飲もうと思って努力している。その珈琲はちっとも味がない。その間奥さんは根気
好く黙って、横を向いている。美しい、若々しい顔が蒼ざめて、健康をでも害しているか....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
ないね。立派な本職だ。』 船『本職が何時も敵はないんですもの。』 お茶屋主人の
好く釣ること、聴く毎に嘆賞すべきことのみにて、釣聖の名あるも空しからざるを知りぬ....