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好もしい
「好もしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
好もしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
そうにもしないで、彼の聞くことを穏やかにはきはきと受け答えする。――信子はそんな
好もしいところを持っていた。 今彼の前を、勝子の手を曳《ひ》いて歩いている信子....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の、着色画に残ってはいるが、しかしこの時代の芸術家の頭に往来していた夢は実にただ
好もしい狩猟の獲物の上にあり、そして獲物が余分に多かったときに、それを分ち与える....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
一部は脳病院の禿山を中心として郊外一帯へ、直ちに派遣されて行った。 けれども、
好もしい情報は仲々やって来なかった。司法主任は苛立たしげに歯を鳴らした。まだこれ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
へ来ると、生命の外殻の観念的なものが取れて、浪漫性の美と匂いをつけ、人間の嗜味に
好もしい姿となって、再び立ち上って来るとかいうのである。 「あなたは東洋の哲学を....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
ルーマニアの男とカナダの男との他に五人の若いフランス人が居たが彼等は揃って、さも
好もしいものを見るという幸福な顔をして二人の組合せ像を眺めた。 その夜新吉の膝....
「現代若き女性気質集」より 著者:岡本かの子
ね。」 ○チョコレートを食べられる暇さえある職業だったら職業というものは何という
好もしいものでしょう。 ○繕った靴下でも穿くときは皺の寄らないように。 ○「お習....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
新聞や雑誌などで、夫婦という字を散見しても、ひとのことどうでも宜いようなものの、
好もしいとはかの女は思わない。 逸作とかの女との散歩の道は進む。 ――あたし....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
得じゃに因って、鬼の面を被ります。 時にお茶が沸きました。――したが鮎の鮨とは
好もしい、貴下も御賞翫なされたかな。」 二十 「承った処では、麓か....
「伯林の降誕祭」より 著者:岡本かの子
縁が、清楚にうつり合った色彩は、私に思わずつかつかと傍へ寄らしてしまったような、
好もしい感じを与えました。だが娘さんは、私に箱を与えると、いつもの懐しげな様子に....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
みんなマックス・ファクター専門なの?」 妹を非難する新子の心も、鏡台の前の各々
好もしい形をしたマックス・ファクターのクリームやローションや粉白粉の瓶の形の好も....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
でいい味のものが尠くなる。気軽で親しみ易く又読むにも軽量で扱いいい、心易い様式、
好もしい姿であるのに、そうした心組で、ガラクタ本にして了う場合が多いことは遺憾で....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
ていると両側の家の子供がまつわり付いて雪掻きを手伝って呉れます。これもこの仕事を
好もしいものに思わして呉れる一つの情趣です。 そんなわけで私たちに取って春が来....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
内気な性分のかの女の兄が、この界隈に下宿させられてから、幾分ひらけたということも
好もしい前例として両親の考の根にあった。青年は以前兄と同じ下宿にいた上野の美術学....
「簡潔の美」より 著者:上村松園
さでありながら、しかもそこに沈んだ美しさが漲っていて、単なる華麗さでないのが実に
好もしい感じがします。 舞台に用いられる道具、それが船であろうが、輿、車であろ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
にも思わなかった。ただ人々が痛みどころがあると揉んでその患部に貼る朝顔の葉を何か
好もしいものに思い、痛みもないのに額などに貼りつけ、草汁の冷たさを上眼になって味....