好景気[語句情報] »
好景気
「好景気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
好景気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
詫びたので、堺屋ではこの母をも共に引き取った。 母は夫と共に日露戦役後の世間の
好景気につれ、東京の下町で夫婦共稼ぎの一旗上げるつもりで上京して来た。そういう夫....
「縮図」より 著者:徳田秋声
うな悪さ遊びに耽りがちであった。そこは今の江東橋、そのころの柳原で、日露戦争後の
好景気で、田舎から出て来て方々転々した果てに、一家はそこに落ち着き、小僧と職人四....
「読書法」より 著者:戸坂潤
しく拡大されたのである。 序文に云っている、「欧州大戦末期に於ける我邦経済界の
好景気以来、我邦に於ける新聞の経営状態は一変して、一般事業と同じく大部分企業的形....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
が、それにどれだけの実証的な根拠があるか知らない。警官の素質が低下するのは、一体
好景気の結果だと考えられるが、この頃のような不況時代には、却って警官の素質は良く....
「最近日本の科学論」より 著者:戸坂潤
に取ってある空間には、盛り切れないものを生じるのである。十年来、云わば産業技術の
好景気(?)のために、自然科学者乃至技術家を志望する若いジェネレーションのインテ....
「母の上京」より 著者:坂口安吾
の種であるかも知れない。 夏川がこの一室へころがりこんだのは、まだ封鎖前の彼の
好景気の頂上だつた。そのころ彼はあぶく銭を湯水のやうに使つて、夜も昼ものんだくれ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ん私は世間で投機熱がいかに流行しても、株に手を出すなどということはなかったから、
好景気に際して厘毛の利益も得なかった代り、この急落によって少しも打撃を被ることも....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
随分賑かであり、裏へ廻ると料理場、お勝手、ここは一層の賑かさで、その上素晴らしい
好景気で、四斗樽が二つも抜いてあり、酒好きの手合いは遠慮会釈なく、冷をあおっては....
「外米と農民」より 著者:黒島伝治
ならぬ三斗五升いりの袋ならその門を通過させてもらえるのだと笑っていた。 この頃
好景気のある船会社の船長の細君は、外米は鶏の餌に呉れてやっている、これは最も簡単....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
まって、わたしの勤めている門司支店は非常に忙がしかった。それが済むと、すばらしい
好景気の時代が来た。明治四十年の四月、わたしは社用を帯びて上京して、約三ヵ月ばか....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
もいる。 しかし、農村はそうではないね。彼らが身にしみて知っているのは戦争中の
好景気だけで、戦争の酸鼻の相は彼らとは無関係なものだった。空襲警報もどこ吹く風、....
「瘤」より 著者:犬田卯
て、漆黒の髯の中から唾をとばしつつ始めた。 「たまるもんかお前、あの大正六七年の
好景気時代に、そら貸す、そら貸すで、碌な抵当もとらずどしどし有志らへ貸し出してよ....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
たと一所に松山で遊んでいたらさぞ呑気な事と思います。「大内旅館」についての多評は
好景気の様也。三重吉は大変ほめていました。寅彦も面白いといいました。そこへ東洋城....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
分にわいわい騒ぎ立てるようになったのと、もう一つは、前は日露戦争、後は欧州大戦の
好景気のために、今まで劇場内へ足を入れなかったような客が俄かに殖えて、それらが一....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
治川の手をかけぬものはないと言われたほど豪奢な遊び方をした。ちょうど日露戦争後の
好景気に、彼は一躍戦争成金になり、一角の実業家として、本店を大阪に移すことになっ....