好況[語句情報] »
好況
「好況〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
好況の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
も、その当時は戦争が、ヨーロッパにおいて行なわれていた。そのために、狂的な経済的
好況が、日本のブルジョア階級を、踊り菌《たけ》でも、食った人のように、夢中に止め....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
四十六 戦争はだんだん歩を進めて来た。定州の騎兵の衝突、軍事公債応募者の
好況、わが艦隊の浦塩攻撃、旅順|口外の激戦、臨時議会の開院、第二回閉塞運動、広瀬....
「縮図」より 著者:徳田秋声
りだったが、芸者に出してあった娘に好い運がおとずれ、親たちもこの商売に取りつき、
好況時代にめきめき羽を伸ばしたのだったが、ある大衆ものの大作家が、方々荒らしまわ....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
爺達自身程懐工合がいいのでもない。最近の統計を見ていないが、第一次世界大戦直後の
好況期に於ける某帝大の学生の平均学資は八〇円だったと思うから、之で大体現在の彼等....
「読書法」より 著者:戸坂潤
に見える。景気変動論に立脚する博士にとっては均衡の破壊が不況であり、均衡の恢復が
好況に向かうということであって、資本主義のサイクルは多分一九四六(?)年度までに....
「労働者の居ない船」より 著者:葉山嘉樹
る国家」が連盟して、ただ一つの「不正なる軍国主義的国家」を、やっつけている、船舶
好況時代であったから、彼女は立ち上ったのだった。 彼女は、資本主義のアルコール....
「科学論」より 著者:戸坂潤
ある。 資本制下に於ては特定の資本主義的要求と与件とに従って(例えば軍需工業の
好況などによって)、技術が局部的に他部面を犠牲にして不具的な発達をなす所以を先に....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
見逃すことは出来ぬ。まして最近数ヵ月間の、軍需工業の拡大や対外為替安による外見的
好況は、重軽工業に於ける技術家の「社会的」需要に取って、久し振りの好材料でさえあ....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
今や進歩性はこの所謂「大衆」の、所謂「社会」の、所謂世間の、何等かの意味での
好況・プラス・一般に関係づけて考えられる。この大衆にとって良いと思われる社会現象....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
等生で品行方正だったのである。 併し〔第一次〕大戦後のアメリカと日本とに於ける
好況、そしてヨーロッパ大陸に対するアメリカの君臨とヨーロッパの屈服、それに世界的....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
へ、早く入れてやりたいものである。――満州問題の成功や近くは円価の反騰、農村の「
好況」などでこの頃益々気を好くしている日本の世間であるから、(ロンドンの「ブルジ....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
けねばならぬ者は、云うまでもなく都市を中心とした労働者階級である。 軍需工業の
好況によって労働賃金が騰貴したなどと思うならば、それは大きな間違いである。今年三....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
、 「主人と部下との利害の一致」を必要とします。昨今のように、軍需品工業が大いに
好況で、これ等の工場では相当大きな利益の上る時でも、一方にはまだまだ多くの失業者....
「鮎の試食時代」より 著者:北大路魯山人
心がいった。まったくうまいと思って食った。いつのころかはっきり憶えぬが、なんでも
好況時代の絶頂に達したころででもあったろうか。ここのあゆは一尾五円を通常の値段と....
「インチキ鮎」より 著者:北大路魯山人
った。 半可通といえば、東京にはもっとひどい話があった。なんでも大正八、九年の
好況時代のことだ。日本橋手前のある横丁に、大あゆで売り出した春日という割烹店があ....