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「好色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

好色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
今までとは打って変った、怪しげな形を現して、「あの若いのもおぬしのように、おのが好色心《すきごころ》に目が眩んでの、この婆に憑《つか》らせられた婆娑羅《ばさら》....
或る女」より 著者:有島武郎
しい敵意を葉子の心にあおり立てた。ボーイにまで笑いものにされて、男の皮を着たこの好色の野獣のなぶりものにされているのではないか。自分の身も心もただ一息にひしぎつ....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
崎はその娘の十日間のくらしを想った。暗がりで借りる煙草の火。しかし、それは木崎の好色の眼ではなかった。むしろ、痛々しさと反撥を感じていたのだ。 外科手術台の女....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
行の方を向いてにっこりと笑ってみせた。 「これは素晴らしい美人だ!」ミルキ閣下は好色な喜悦をあけっぱなしに叫んだ。「その女、名前はなんという」 「アネットという....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
のすべては、いと安々と彼の希望どおりに運んで行きました。綾子夫人も彼の執念ぶかい好色から手に入れてしまうことも出来ましたし、夫人の手を経て恋敵である丈太郎氏を殺....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
まに、醜猥な言葉をわめき散らすようになれば、美しいマヌエラは死に、ただ見るものの好色をそそるだけになる。よしんば助かっても空骸がのこる。恥と醜汚のなかでマヌエラ....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
散らして、膚を守護する位が備わり、包ましやかなお面より、一層世の塵に遠ざかって、好色の河童の痴けた目にも、女の肉とは映るまい。 姫のその姿が、正面の格子に、銀....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
た。愛寵せる女優のために群集の無礼を憤ったのかと思うと、――そうではない。この、好色の豪族は、疾く雨乞の験なしと見て取ると、日の昨の、短夜もはや半ばなりし紗の蚊....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
夫人とがそのかみのバッテリーであった事、そして又、夫人は案外にもあれでなかなかの好色家である事等を知る事が出来た。――で以上の材料と、僕の貧弱な想像力とに依って....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
く、滾々と尽きるを知らぬ熱情の泉だった。 ところが、まもなくそういった感情も、好色的な薄笑いも彼の顔から消え失せてしまって、眼が、まるで貪ぼるかのごとく、一枚....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
、まず肉体のデッサンがはじまる。しかし、現在書かれている肉体描写の文学は、西鶴の好色物が武家、僧侶、貴族階級の中世思想に反抗して興った新しい町人階級の人間讃歌で....
夜光虫」より 著者:織田作之助
わざとのような土砂降りの雨だった。 溺死人、海水浴、入浴、海女……そしてもっと好色的な意味で、裸体というものは一体に「濡れる」という感覚を聯想させるものだが、....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
の手段として、われらは先ずお身の父の師直を呪うた。高師直は呪わるべき人じゃ。彼が好色の餓鬼となって、公卿殿上人の息女や女房をほしいままに掠め奪って、おのが妄婦と....
雪柳」より 著者:泉鏡花
と、後に話した、というのは当にならぬ。血気な男が、かかる折から、おのずから猟奇と好色の慾念が跳って、年の頃人の妻女か、素人ならば手で情を通わせようし、夜鷹ならば....
俗臭」より 著者:織田作之助
て一万円貯めた時に生やした口髭は彼の威厳に非常に関係あるものだが、この時はむしろ好色的にすら見えた。 「三味線が無いでな。さっぱりどうも」ふと思いついた様に、「....