如くはない[語句情報] »
如くはない
「如くはない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
如くはないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
の長老勝家、先ず口を開いて、織田家の御世嗣には御利発の三七信孝殿を取立参らせるに
如くはない、と云った。勢威第一の勝家の言であるから、異見を抱いて居る部将があって....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
兵糧も残少なくなって来た。我軍の力|猶壮んなる今、敵営を襲って、武器糧米を奪うに
如くはない。細川の陣は塁壁堅固の上に銃兵多いから、之を討てば味方に死傷が多かろう....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
義の他にはないはずだ。ところがこの徹底した精神主義は、取りも直さずいわゆる邪教に
如くはない。ところが文相らは、一方において宗教の健全な発達を欲しながら、他方にお....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
れには結局どうでもよいその城を攻め、一刻も早く、侵入の報告を中央にもたらさせるに
如くはない。――翌朝未明に、ツランの全軍はその城塞が目の下に瞰下せる処まで降りて....
「渡り鳥」より 著者:太宰治
うだ。こいつには、勝てると思うが、しかし、人は見かけに依らぬ事もあるから、用心に
如くはない。 「題をかえましたよ。」 ぎょっとするわい。よくそこに気が附いたね....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
の極めて慎重な専門的な研究の結果、電気事業で一儲けすることと、電力料の値下げとに
如くはないということになったわけだったが、処が東北の農民自身は無論電気を食って生....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
の中の用語(第一一一節)または交換の解析的定義の中の用語(第一三一節)を用いるに
如くはない。 一三七 利用と所有量とは常に価格の成立の第一原因であって、また条....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
。しかも今更そんな論議をしても仕方がない。差しあたりは危険を避けて鎌倉へまわるに
如くはないと、かれも義助の意見に同意することになった。 雨は降りつづけている。....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
に踏み付けられるならば、先ず公平なる暴力を出発点として、吾々の勝敗を決せしめるに
如くはない。 或は人あっていうかも知れない、手段に於て非であろうとも、その目的....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
く子を叱ればますます泣く。さしあたり宥め賺して、おのずとその泣き鎮まるのを待つに
如くはない。高武蔵守師直という駄々っ子にしゃぶらせる飴は、塩冶の妻の文よりほかは....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
云うに、
一切の生ずるものは滅しても好いものです。
して見れば、なんにも生ぜぬに
如くはない。
こうしたわけで、あなた方が罪悪だの、
破壊だの、約めて言えば悪と仰....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
故昔の窯場がどんな様子であったかを思いみる人は、現にあるこの小鹿田の窯を訪ねるに
如くはないと思います。 筑後にある窯場では三池郡の二川を挙げるべきでありましょ....
「三国志」より 著者:吉川英治
寝ろ寝ろといって叱られたことである。本来、三国志の真味を酌むにはこの原書を読むに
如くはないのであるが、今日の読者にその難渋は耐え得ぬことだし、また、一般の求める....
「三国志」より 著者:吉川英治
あの連中を待っているのかも知れない、と思った。 (何しろ、従順をよそおっているに
如くはない。そのうちには、逃げる機会があるだろう) 劉備は、賊の荷物を負って、....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
最悪の破局にいたるやも知れぬ。――そうだ、信長はやはり信長の天性にまかせて為すに
如くはない」 彼は手ぬるい「扱い」を放擲した。 そして安土を発し、二条新館に....