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如何にも
「如何にも〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
如何にもの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
玄鶴がお芳に生ませた文太郎だった。その子供をお芳が「坊ちゃん」と呼ぶのはお鈴には
如何にも気の毒だった。けれども彼女の常識はすぐにそれもこう云う女には仕かたがない....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
人を発見した。彼女は水色の夏衣裳《なついしょう》の胸にメダルか何かをぶら下げた、
如何にも子供らしい女だった。僕の目は或はそれだけでも彼女に惹《ひ》かれたかも知れ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
、きたない黄いろになっている髯も、それにつれて上下《うえした》へ動く、――それが
如何にも、見すぼらしい。
李は、この老道士に比べれば、あらゆる点で、自分の方が....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
つ》に行ったら、いきなり頭を長煙管で打たれたことを覚えている。しかし大体僕の母は
如何にももの静かな狂人だった。僕や僕の姉などに画を描いてくれと迫られると、四つ折....
「女仙」より 著者:芥川竜之介
罵っている声が聞えました。それはまたどこかの庭鳥がのんびりと鬨を作っている中に、
如何にも物ものしく聞えるのです。書生はどうしたのかと思いながら、彼女の家の前へ行....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
坐っている訣に行かなかった。レエン・コオトは今度もまた僕の横にあった長椅子の背に
如何にもだらりと脱ぎかけてあった。 「しかも今は寒中だと云うのに」 僕はこんな....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
銀杏返しに結って、横なでの痕のある皸だらけの両|頬を気持の悪い程赤く火照らせた、
如何にも田舎者らしい娘だった。しかも垢じみた萌黄色の毛糸の襟巻がだらりと垂れ下っ....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
は飯田蛇笏君である。――手紙の往復をするようになった。蛇笏君の書は予想したように
如何にも俊爽の風を帯びている。成程これでは小児などに「いやに傲慢な男です」と悪口....
「犬養君に就いて」より 著者:芥川竜之介
。僕は犬養君を思い出す度にかならずこの顔を思い出している。同時に又犬養君の作品の
如何にも丹念に出来上っているのも偶然ではないと思っている。....
「久米正雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
す。嘘だと思ったら、久米の作品を読んでごらんなさい。色彩とか空気とか云うものは、
如何にも鮮明に
如何にも清新に描けています。この点だけ切り離して云えば、現在の文壇....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
処に居合せた天岡均一氏が、初対面の小杉未醒氏に、「小杉君、君の画は君に比べると、
如何にも優しすぎるじゃないか」と、いきなり一拶を与えた事がある。僕はその時天岡の....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
、アララギ発行所へ出かけることにした。僕はその電車の中にどこか支那の少女に近い、
如何にも華奢な女学生が一人坐っていたことを覚えている。 僕等は発行所へはいる前....
「森先生」より 著者:芥川竜之介
の日和下駄に書かれたると同じ部屋にあらずやと思う。その頃の先生は面の色日に焼け、
如何にも軍人らしき心地したれど、謹厳などと云う堅苦しさは覚えず。英雄崇拝の念に充....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
が子供の時分には、まだ百本杭もあつたし、中洲界隈は一面の蘆原だつたが、もう今では
如何にも都会の川らしい、ごみ/\したものに変つてしまつた。殊にこの頃出来るアメリ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
た。 「みんな天神様のことばかり訊くのね。」 僕はちょっと忌々しさを感じ、この
如何にもこましゃくれた十ばかりの女の子を振り返った。しかし彼女は側目も振らずに(....