如意[語句情報] » 如意

「如意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

如意の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おしの」より 著者:芥川竜之介
かし少しも効験《こうけん》は見えない。のみならず次第に衰弱する。その上この頃は不如意《ふにょい》のため、思うように療治《りょうじ》をさせることも出来ない。聞けば....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
六年の苦行よりも、これが遥かに大事だったのじゃ。『取彼乳糜《かのにゅうびをとり》如意飽食《いのごとくほうしょくし》、悉皆浄尽《しっかいじょうじんす》。』――仏本....
高野聖」より 著者:泉鏡花
の白痴殿《ばかどの》の女房になって世の中へは目もやらぬ換《かわり》にゃあ、嬢様は如意《にょい》自在、男はより取って、飽《あ》けば、息をかけて獣《けもの》にするわ....
地球盗難」より 著者:海野十三
た釦を押すと、把手のところからサッと一|道の光が流れだした。この洋杖こそ孫悟空の如意の棒ではないが、学士自慢の七つの仕掛のある護身杖であった。いま流れだした光芒....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
済まぬ儀じゃ。海の住居の難有さに馴れて、蔭日向、雲の往来に、潮の色の変ると同様。如意自在心のまま、たちどころに身の装の成る事を忘れていました。 なれども、僧都が....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
鰭のあたりから、ずるずると石段を這返して、揃って、姫を空に仰いだ、一所の鎌首は、如意に似て、ずるずると尾が長い。 二階のその角座敷では、三人、顔を見合わせて、....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
…ばかりではない。 一人、骨組の厳丈した、赤ら顔で、疎髯のあるのは、張肱に竹の如意を提げ、一人、目の窪んだ、鼻の低い頤の尖ったのが、紐に通して、牙彫の白髑髏を....
成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
き、私の頭はもうTのそれからはまったく独立していたのでした。 何事につけても不如意な私の生活は、思うように勉強をすることももちろん出来ませんでした。私は自分が....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
。 修錬の極致に至りますると、隠身|避水火遁の術などはいうまでもございませぬ、如意自在な法を施すことが出来るのだと申すことで。 ある真言|寺の小僧が、夜分墓....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
水にも事欠くことがしばしばだった。この辺の農村生活に不馴れな妻は、その度ごとに不如意がちな私たちの離京生活をなげくのであった。 浩さんにそれが通ずるなんてこと....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
つ咲くのがある。明星の丘の毘沙門天。虫歯封じに箸を供うる辻の坂の地蔵菩薩。時雨の如意輪観世音。笠守の神。日中も梟が鳴くという森の奥の虚空蔵堂。―― 清水の真空....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
をのけ反らした。ちょっと弁吉の悪戯だというのである。三聖酢をなむる図を浮彫にした如意がある。見ると、髯も、眉も浮出ているが手を触ると、何にもない、木理滑かなるこ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
の巽に生抜きの気象もの。 随分派手を尽したのであるから、以前に較べてこの頃の不如意に、したくても出来ない師家への義理、紫の風呂敷包の中には、ただ清書と詠草の綴....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
い意地の悪い天気であった。 緑雨の全盛期は『国会新聞』時代で、それから次第に不如意となり、わざわざ世に背き人に逆らうを売物としたので益々世間から遠ざかるように....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
あったから、さらぬだに不足がちの家計が一層|紊乱して、内証は岡目に解らぬほどの不如意を極めていた。 かつ加うるに夫婦の間が始終折合わないで、沈黙の衝突が度々繰....