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如露
「如露〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
如露の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
がかようになろうとは、夢にも思わずに居りましたが、真《まこと》に人間の命なぞは、
如露亦如電《にょろやくにょでん》に違いございません。やれやれ、何とも申しようのな....
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
ですか。水島の物にだって目をくれてやしませんよ」お島は跣足《はだし》で、井戸から
如露《じょろ》に水を汲込みながら言った。
「好い気前だ。その根性骨だから人様に憎....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
それは、広大無辺な自然の力でなくっては出来ない事で、人間|業じゃ、なかなか焼石へ
如露で振懸けるぐらいに過ぎますまい。」 三十二 「広く行渉るばかり....
「家」より 著者:島崎藤村
植木屋の娘達は、いずれも素足に尻端折で、威勢よく井戸の水を汲んでいるのもあれば、
如露で花に灑いでいるのもあった。三吉は自分の子供に逢った。 「房ちゃん」 と正....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
あった。 つばのひろい麦わらの帽子をかぶった庭男が、しきりに花の間をくぐって、
如露で水をやっているのが見えた。 そういう庭男が、あっちに一人、こっちに一人、....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ない。 「やあ。」 と、渡りに船の譬喩も恥かしい。水に縁の切れた糸瓜が、物干の
如露へ伸上るように身を起して、 「――御連中ですか、お師匠……」 と言った。 ....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
の世界です。ぼうっとなって歩いているうちに、やがてアセチリン瓦斯の匂いと青い灯が
如露の水に濡れた緑をいきいきと甦らしている植木屋の前まで来ると、もうそこからは夜....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
晩まであらっぽく働かなければならなかった。背中にはあせにぬれたシャツを着、両手に
如露を持って、ぬかるみの道の中を、素足で歩かなければならなかった。でもぐるりのほ....
「博物誌」より 著者:岸田国士
■ 花――今日は日が照るかしら。 向日葵――ええ、あたしさえその気になれば。
如露――そうは行くめえ。おいらの料簡ひとつで、雨が降るんだ。おまけに、蓮果でも外....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
帰って来ない。遠離茫々幾千載。たとえ千載待ったところで、死者の甦えった例はない。
如露また如電これ人生。命ほどはかないものはない。 人は往々こういう場合に、宗教....
「田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
根やをいろいろ遠い所からわざわざ取り寄せてやった。鍬や、鎌や、バケツや、水桶や、
如露や、そう云ったものを一式揃えて持たせた。……間もなく彼女はこの仕事(?)にか....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
薦で包んで、丈の一間くらいもある杉とか、檜とかいう常磐木も廻りに立ててあります。
如露で水を沢山にかけるので、カンテラの光が映ってきらきら光ります。 そこの正面....
「世間師」より 著者:小栗風葉
に、さしも熱しきっていた群衆もゾロゾロ引挙げる。と、小使らしい半纒着の男が二人、
如露と箒とで片端から掃除を始める。私の傍の青い顔の男もいつの間にかいなくなった。....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
の辺に糧秣廠のあったことを思い出し、更にその糧秣廠に火事のあったことを思い出し、
如露亦如電という言葉は必ずしも誇張ではないことを感じた。 僕の通っていた第三中....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
原を下り始めた。川上から根なし雲が追いかけるようにおろして来る。夫に連れて小雨が
如露で水を撒くように注いで来るが長くは続かない。水みちが広い河原を崖から崖へと蛇....