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「妄信〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

妄信の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
察力に与える秩序の正しさを過信しているからだろうか、小説作法の約束というものへの妄信からだろうか。 ――などという、こんな前書きは、作法には外れているから、小....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
爾後約二〇世紀の間、現代の始まりまでも自然研究の衝動を麻痺させるという甚だ有害な妄信を生ずるに至った。この教理はジュリアス・シーザーと同時代のディオドルス・シク....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ところで、なにも博士の精神解剖図を、持っているという訳じゃありますまい」と相手の妄信を窘めるように云ってから、法水は再び事務的な質問を放った。 「ところで、入籍....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
いうことの証明もまたはなはだ困難であることだけは確かである。証明のできない言明を妄信《もうしん》するのも実はやはり一種の迷信であるとすれば、干支に関するいろいろ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
執事が女主人公の暴れ出すのを折檻して取り鎮めるとともに、彼女が金を造り得るという妄信に釣り込まれて、彼女のものすごい試験の助手を勤めていたことだけはわかってきた....
科学上における権威の価値と弊害」より 著者:寺田寅彦
われるのが通例である。想うにこれらは権威者の罪というよりはむしろ権威者の絶対性を妄信する無批判な群小の罪だと考えなければなるまい。もとより一般から権威と認められ....
物理学実験の教授について」より 著者:寺田寅彦
に理解させるが肝要であろうと思う。これを誤解すれば、物理学を神の掟のように思って妄信してしまうか、さもなくば反対に物理学の価値を見損なって軽侮してしまうかの二つ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
符を買った乗客に対して、前述の鉄道会社がなんらの危険なしに人命を運搬し得るものと妄信させたのも、一にこの人間の労働の責任と用心ぶかき供給によるものであるというの....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
。……では彼奴は預言者か?」 ユダにはそうは思われなかった。 「彼奴は帰する所妄信者なのだ。ただ預言者だと妄信しただけだ」 ユダはある歌を想い出した。それは....
深川女房」より 著者:小栗風葉
日の容体はさすがに気遣われたのであるが、日ごろ腎臓病なるものは必ず全治するものと妄信していたお光の、このゆゆしげな医者の言い草に、思わず色を変えて太胸を突いた。....
迷信解」より 著者:井上円了
い、また「陰陽家は鬼のためにねたまる」というが、八卦を業とするもの、およびこれを妄信するもの、多くは貧困にして、しかもその家に災害が比較的に多いように見ゆ。もし....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
知らざるをもって、またこれを妖怪、不思議の一種に属す。これをもって、愚民のこれを妄信する、日一日よりはなはだしく、これより生ずるところの弊害、また決して少々にあ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
て居る人が沢山あるということは俗人の迷信になっておるから、私に対してもやはりその妄信を繰り返してにわかにその情緒を変じた。そこで私はまずこれで安心だと思い、「な....
現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
のいい伝えから一歩も出ないで、今もなお指導者の力次第で生命ある物体が生まれ出ると妄信することの危険を感ずるのままに、一言否多言を費やした次第である。 本来、い....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
なはだ少数なりし。しかるに近年、同日の乗客次第に増加するに至れり。これ、ヤソ教の妄信者次第に減少せるによるという。 西洋にて従前はみな埋葬のみを用い、火葬は絶....