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妓夫
「妓夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妓夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
三人が品川の宿《しゅく》へはいると、往来で三十前後の男に逢った。それが女郎屋の
妓夫《ぎゆう》であることは一見して知られた。彼は熊蔵に挨拶した。 「きょうもお出....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
。落語に厭きて女義太夫をも聞く。寄席の帰りに腹が減って蕎麦《そば》屋に這入ると、
妓夫が夜鷹《よたか》を大勢連れて来ていて、僕等はその百鬼夜行の姿をランプの下に見....
「幽霊の自筆」より 著者:田中貢太郎
思って、ゆっさ、ゆっさと廊下を歩いて、やっと出口まで来た、不寝番《ねずのばん》の
妓夫《ぎゆう》がいて、下駄を出し、門口の戸を細目に開けて呉れる、下駄を履いて、出....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
そうして、連れ込んだ先は山谷《さんや》の勝次郎という奴の家です。勝次郎はよし原の
妓夫《ぎゅう》で、夜は家にいない。六十幾つになる半聾のおふくろ一人が留守番をして....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
紺はよんどころなく商売をやめて、そこらを流れ渡っているうちに、吉原の或る女郎屋の
妓夫と一緒になって、よし原の堤下の孔雀長屋に世帯を持つことになった。亭主も元より....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
むさし屋に出入りする金さんは金造といって、この品川の宿をごろ付き歩いて、女郎屋の
妓夫などを相手に、小博奕などを打っている男であることが判った。それを友達にしてい....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
はそこに立ったりしゃがんだりしていた。 思いきって立ち上がった。その家には店に
妓夫が二人出ていた。大きい洋燈がまぶしくかれの姿を照らした。張り見世の女郎の眼が....
「細木香以」より 著者:森鴎外
に負いたために、曲輪の法で眉を剃り落されそうになっているところである。鴫蔵竹助の
妓夫が東栄を引き立てて暖簾の奥に入る。次で国五郎、米五郎、小半次、三太郎、島蔵の....
「草紅葉」より 著者:永井荷風
、その胸中に秘していたのだろう。 暖簾外の女郎屋は表口の燈火を消しているので、
妓夫《ぎゆう》の声も女の声も、歩み過る客の足音と共に途絶《とだ》えたまま、廓中は....