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妖精
「妖精〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妖精の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
り籠めて四方から咲き下す崖の花畑のようだ。また、谷に人を追い込めて、脅かし誑かす
妖精群のようにも見えた。 目をつけるとその一人一人に特色があって、そしてまた、....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
る人間の数とその方法が明らかに語られている。ところで、ファウストの呪文に現われる
妖精の数が判ると、それがグイと胸を衝き上げてくるだろう。何故なら、旗太郎をはじめ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ってやるのだ。俺は今日限り俺の魂を悪魔にやって終うのだ。天地の間に充ちている悪鬼
妖精、其他もろもろの邪悪の徒は聞け。支倉は今日只今より悪以外の事は何事もしない事....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
しかしこの時何んという、不思議なことが起ったのだろう! 森の奥から気味の悪い、
妖精じみた叫び声が、はっきり二声聞こえたのである。 「お山を穢《けが》すな! お....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
てもっと見当のとれない或る世界の物語をさせていただきましょう。外でもない、それは
妖精の世界のお話でございます。 『研究の為めに汝に見せてやらねばならぬ不思議な世....
「小公女」より 著者:菊池寛
いることなど、いつの間かに忘れてしまいました。セエラの眼に見えるのは、お話の中の
妖精達や、王様、女王様、美しい貴婦人達などなのでした。語り終った時、セエラは興奮....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
魔薬を求めると、ハーガーは、あたえることを約束し、愛の魔薬をもってくるように歌で
妖精をよびました。 すると、やわらかな音楽につれて、洞穴のかげから、きらきらし....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
のこもったウィンクを送った。 いきなり、脇へ腰をかけられた前川も、二人の連れも
妖精じみて、美しい少女へ、マンジリともしない眼を向けていた。 美和子ぐらいの年....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
のものは美しいものだ。で、その女――島子なのであるが――その島子の人工的斜視は、
妖精的に美しい。また蠱惑的といってもいい。また誘惑的といってもいい。いやいや明き....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
き合っているのであった。 そういう郷民達の群の中に、ひときわ背高く見えている、
妖精じみた老人があったが、他ならぬ宮川覚明で、杖を頭上にかかげるようにすると、 ....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
えも、中天にただ一つ、つけっ放しになっている蒼いランプは、すんなりした女の姿を、
妖精のように見せていた。それがちょうど、透き通った、美しい外套でもあるかのように....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
結論を云えばだ――絶対に盲人のなし得るところではないということ。それから、一人の
妖精じみた存在が、どうやら明瞭しかけてきたという事なんだ」 それから法水は、ウ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
らでもあろう、瞳のあたりに燠のような光が、チラ、チラ、チラと燃えるように見えた、
妖精じみた光である。が、それとてほんの一瞬間で、上|眼瞼がすぐに瞳をおおうて、も....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
かに人通りのある時刻じゃなし、近常小父さん。――その向うに、こんな夜更には、水の
妖精が、面を出して、人間界を覗く水目金のような、薄黄色な灯が、ぼうとして、(蕎麦....
「活人形」より 著者:泉鏡花
でも安達が原の一ツ家の婆々という、それはそれは凄い人体だそうで、これは多分山猫の
妖精だろうという風説でな。「それじゃあ風の吹く晩には、糸を繰る音が聞えるだろうか....