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妙に
「妙に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妙にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
ょう》か何かの手術だったが、――」
和田は老酒《ラオチュ》をぐいとやってから、
妙に考え深い目つきになった。
「しかしあの女は面白いやつだ。」
「惚《ほ》れたか....
「影」より 著者:芥川竜之介
てた。
「私《わたし》の家《うち》へかけてくれ給え。」
陳の唇を洩れる言葉は、
妙に底力のある日本語であった。
「誰?――婆や?――奥さんにちょいと出て貰ってく....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
がひどく邪推《じゃすい》深いように聞えますが、これはその若い男の浅黒い顔だちが、
妙に私の反感を買ったからで、どうも私とその男との間には、――あるいは私たちとその....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ってしまった上、大きい目をいっそう大きくしてじっと僕を見つめました。僕はもちろん
妙に思いましたから、「Quax, Bag, quo quel, quan?」と言....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
で横の隅の所にしか、はいれないんでしょう。そうすると、折角その人の顔が映っても、
妙に平べったくしか見えないんでしょう。私、かなしくって、かなしくって。」――前掛....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
とを思い出した。
爾来《じらい》七八年を経過した今日、その時の海の静かさだけは
妙に鮮《あざや》かに覚えている。保吉はこう云う海を前に、いつまでもただ茫然と火の....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
す。
わたしはこの婆さんにいろいろの話を聞かせて貰いました。就中《なかんずく》
妙に気の毒だったのはいつも蜜柑《みかん》を食っていなければ手紙一本書けぬと言う蜜....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
二指腸の潰瘍《かいよう》だそうだ。――心配はなかろうって云うんだが。」
賢造は
妙に洋一と、視線の合う事を避けたいらしかった。
「しかしあしたは谷村博士《たにむ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
れはまだ三十代であろう。が、ちょいと見たところは年よりはずっとふけて見える。第一
妙に顔色が悪い。目のまわりも黒い暈《かさ》をとっている。しかし大体《だいたい》の....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
》ばたへ顔を洗いに行った。しかし顔を洗った後《あと》でも、今しがた見た夢の記憶は
妙に僕にこびりついていた。「つまりあの夢の中の鮒は識域下《しきいきか》の我《われ....
「運」より 著者:芥川竜之介
炊女《みずし》か何かつとめていたらしいのでございます。が、男の商売の事になると、
妙に一口も話しませぬ。それさえ、娘の方では、気になるのに、その尼《あま》がまた、....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
つのまにか、河岸の取《とっ》つきへ来てしまった。このまま河岸を出抜けるのはみんな
妙に物足りなかった。するとそこに洋食屋が一軒、片側《かたかわ》を照らした月明りに....
「初雪」より 著者:秋田滋
みながらこう云った。 「あたし――あたしねえ――何だか悲しいんですの――何だか、
妙に気が重いんですの――」 しかし、そう云ってしまうと彼女は何だか怖ろしい気が....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
が全盛の時代であったから、電流が己れの方へ直接に磁針をまげるということは、余程奇
妙に感ぜられたものと見える。 翌一八二一年は、ファラデーが結婚した年であるが、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
りのもあったが、帳面の紙をはぎあわせてあるのもあった。不在のときには、きわめて巧
妙に、細枝でつくった紐でしっかりとドアの取っ手をしばりつけ、鎧戸には心張棒がかっ....