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妻女
「妻女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妻女の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
あげたが、すぐまた眼を紙へ落して、せっせとあとを書き始める。これは恐らく、京都の
妻女へ送る消息でも、認《したた》めていたものであろう。――内蔵助も、眦《まなじり....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
思われないから、燈明を上げるだけは今夜の十二時過ぎからにしてといった。 親戚の
妻女《さいじょ》だれかれも通夜《つや》に来てくれた。平生《へいぜい》愛想笑いをす....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に又一つの新しい問題が起った。それは此の年の七月から新しい布達があって、諸大名の
妻女も帰国勝手たるべしということになったので、どこの藩でも喜んだ。一種の人質とな....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
ず、大胆不敵にも敵の堅城たる海津城の後方をグルリと廻り、海津城の西方十八町にある
妻女山(西条山ともかく)に向った。北国街道の一軍は、善光寺近くの旭山城に一部隊を....
「古狢」より 著者:泉鏡花
いるお茶屋だった。――※、鮠、鮴の類は格別、亭で名物にする一尺の岩魚は、娘だか、
妻女だか、艶色に懸相して、獺が件の柳の根に、鰭ある錦木にするのだと風説した。いさ....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
心をもって、些少なりとも、ために御斟酌下さろうかと思う、父母も親類も何にもない。
妻女は亡くなりました、それは一昨年です。最愛の妻でした。」 彼は口|吃しつつ目....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
、辻町糸七――の従姉で、一昨年世を去ったお京の娘で、土地に老鋪の塗師屋なにがしの
妻女である。 撫でつけの水々しく利いた、おとなしい、静な円髷で、頸脚がすっきり....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
事として名の高かった○○○○○氏こそは、この磯貝竜次郎の後身なので有った。其前の
妻女は正しく小虎で有ったが、それは明治初年に病死したという。竜次郎が陣風斎から、....
「春」より 著者:岡本かの子
看護婦にお辞儀をするのであった。それは何か、人が非常に厚意に預る前の態度だった。
妻女は慌てて患者のあとから立ち上って、これはまた何か非常に恥しい出来事でも到来す....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ならぬ。血気な男が、かかる折から、おのずから猟奇と好色の慾念が跳って、年の頃人の
妻女か、素人ならば手で情を通わせようし、夜鷹ならば羽掻をしめて抱こうとしたろう。....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
し、帯刀の士分に列してただの軽焼屋の主人ではなくなった。椿岳が小林姓を名乗ったは
妻女と折合が悪くて淡島屋を離別されたからだという説があるが全く誤聞である。椿岳が....
「砧」より 著者:上村松園
も報じる。この話の最中に何処からともなく物音が聞えてくる。「あの音は何か」という
妻女の問いに夕霧はあれこそは賎が女の打つ砧の音だと告げ、蘇武が胡国にさすらえてい....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
の不始末を誤魔化さんと試みることを怠らなかった。その罪を一に地頭季春に帰し、再三
妻女を国司の館につかわしてこれが命乞いをなさしめ、その請料物勝げて計うべからず、....
「小生のあけくれ」より 著者:北大路魯山人
ても、多くの人は家畜同然、おあてがいの食物で栄養を摂っているように私には見える。
妻女の作ったおあてがいの料理、料理人の作ったおあてがいの献立料理、これでことを足....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
際をしてくれなくなります。その子供が外に出れば、隣の子供は引っこんでしまう。その
妻女が仲間に加われば、隣の
妻女は話をやめてしまう。それでいてどうしてそこに気楽に....