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「妻室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

妻室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
八人みさきの話」より 著者:田中貢太郎
に死亡しているので、世嗣ぎは当然三男津野忠親に来るペきものであった。殊に兄の女を妻室にするに至っては、不倫の甚だしきものであった。心ある者は何人も眉を顰めたが、....
雷峯塔物語」より 著者:田中貢太郎
でも苦しかったのだろう、それというのも、お前が一人でぶらぶらしてるからだ、はやく妻室をもらって身を固めるがいい、そうなれば怪しい者だって寄りつかない」 許宣は....
断橋奇聞」より 著者:田中貢太郎
老婆の袖の中にすばしこく入れた。それは二錠の銀子であった。 「お婆さん、私はまだ妻室がないから、媒人をたのみたいが」 老婆には世高の眼ざしている者が何人である....
緑衣人伝」より 著者:田中貢太郎
隣になった荒廃した地所はもと宋の丞相|賈秋壑が住んでいた所である。源は両親もない妻室もない独身者の物足りなさと物悩ましさを、その少女に依って充たそうとしていた。....
虎媛」より 著者:田中貢太郎
ように背の高い老婆が茶を持ってきた。老人は老婆の方をちょっと見た。 「これが私の妻室ですよ」 焦生は老婆に向って挨拶をして、泊めてもらった礼を言った。老婆と焦....
放生津物語」より 著者:田中貢太郎
「わしは、お前と小供の世話をしたいと思う、お前も知ってのとおり、わしは三年前に妻室に死なれて、親類や知人から後妻を勧められたが、小供に可哀そうじゃからと、どれ....
四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
様は、何も御存じないと見えますね、伊右衛門様は、伊藤喜兵衛様のお妾のお花さんを御妻室になされておりますよ」 「え、それはほんとかえ」 「ほんとでございますとも、....
山姑の怪」より 著者:田中貢太郎
母にも、この比死なれましたから、下女奉公でもしていて、そのうちに私のような者でも妻室にしてくれる者があるなら、縁づきたいと思いまして、昨日江戸へ出て来ましたが、....
怪談覚帳」より 著者:田中貢太郎
弘岡の下の村へ入り、其の庄屋の家の前へ往った。庄屋は此の狸奴、おれに化けておれの妻室をばかすと見える、と思っておると、狸は其の庄屋と同じ声で、 「今もどったぞ」....
法然行伝」より 著者:中里介山
くぎょう》頂戴して一向に念仏し、寛元四年往生の時矢張り奇瑞があったという。実秀の妻室も深くこの消息の教えを信受してよき往生の素懐を遂げたという。 武蔵国《むさ....
悪僧」より 著者:田中貢太郎
これだけ申しましたのでは、貴方にはまだお判りになりますまいが、私はこの三年|前、妻室を迎えるとともに、例によって山寺へ往って、学問をしておった者ですが、時おり私....
水面に浮んだ女」より 著者:田中貢太郎
年ばかりで帰って来て、 (平兵衛殿には、土州で郡奉行になっておられるが、前方で御妻室を持って、男の子まであります) と云った。女はそれを聞くと非常に口惜しがっ....
警察署長」より 著者:田中貢太郎
方はかまわないですが、また変なことでもありますと、お気の毒ですから」 「好いよ、妻室や小供はここへ置いといて、この男と二人で男同志が寝るさ」クラネクはベルセネフ....
妖影」より 著者:田中貢太郎
へ帰ると、私は火鉢の傍で、一人で茶を入れて飲みながら、次の室で小供を寝かしている妻室に、その話をして聞かせた。 「そう、そうですか」 妻室はその友人も女も知ら....
水郷異聞」より 著者:田中貢太郎
」 それは野本と云う仲間の文士であった。 「野本君か、野本君、君に頼みがある。妻室がすこし怪しいから、急いで医師を呼んで来てくれないかね、ここを出て、右に五六....