妻帯[語句情報] »
妻帯
「妻帯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妻帯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
分でもこの鼻に煩《わずらわ》される事が少くなったと思っていない。内供の自尊心は、
妻帯と云うような結果的な事実に左右されるためには、余りにデリケイトに出来ていたの....
「世相」より 著者:織田作之助
十一歳で雁次郎横丁へ天辰の提灯を出した。四年の間に万とつく金が出来て、三十五歳で
妻帯した。細君は北浜の相場師の娘だったが、家が破産して女専を二年で退学し、芸者に....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
言葉は独身者の彼だけに言われるのに違いなかった。彼の友だちのY中尉は一年ほど前に
妻帯していたために大抵水兵や機関兵の上にわざと冷笑を浴びせていた。それはまた何ご....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
人に向って、お客が芸者に対するような態度をとり始めた。葉子はそこで倫理的に一人の
妻帯男が一人のマダムに対する不真面目な態度を批判して不愉快になったのでは無い。(....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
、赤座が僕に話した通り、彼は妻を迎えようとしても適当な女が見あたらない。妹も兄が
妻帯するまでは他へ嫁入りするのを見あわせて、兄の世話をしているという決心であった....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
女はけがらわしいものと本能的に信じて、ことに女の匂いが好かず、入道姿になったのも
妻帯をすすめられぬ用意だったというくらい故、楓がいつ何時どこで佐助にめぐり会って....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
うが、宇宙旅行をするには、人間の生命はあまりに短かすぎる。そこで本艇においては、
妻帯者を乗り込ませてあるばかりか、今後も艇内において出来るだけ結婚を奨励し、一代....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
まったらしい。しかしお菊は決して落着いてはいられなかった。小石川の伯母様が主人に
妻帯を勧めるのは今日に始まったことではない。先月も一度その話のあったことをお菊は....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
とになったです。
しかるにその私の泊って居ったラマというのは実に新教派のラマで
妻帯もしなければ酒も飲まないという側の清浄な方であったのでその名をアルチュ・ツル....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
のは船の陸に遠ざかるを喜ぶ。 友人、船中にありて問うて曰く、仏教は必ずしも肉食
妻帯を禁ずるをもって一宗の要旨とするにあらず。しかるに、今日の宗旨の肉食
妻帯せざ....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
した。 私はそのとき、青年の珪次との恋に夢中になっていましたから、こんな壮年の
妻帯者に興味どころではなく、全く没交渉の感じしか持っていませんでした。珪次はその....
「雨」より 著者:織田作之助
持ちであったが、兄の商売の秘法を教えられ、生玉町に一戸を構えて、口金商を始めた。
妻帯したが、安二郎は副こう丸炎にかゝったことがあって子供は出来ず、一昨年女房がコ....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
をも、同一にみておったことを知るに足るのである。濫僧とは前記餌取法師の徒で、肉食
妻帯の下司法師ではあるが、もちろんそれ自身餌取ではない。しかし彼らは屠者同様穢れ....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
つしたというそれである。「家に妻子を蓄へ、口に腥※を啖ふ」とあって、すなわち肉食
妻帯の在家法師であり、その「形は沙門に似て、心は屠児の如し」とあって、もちろん仏....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
ているものが多い。彼らは法師でありながら、令条に厳禁したところに背いて公然と肉食
妻帯をあえてし、俗道場を設けて禁厭巫呪卜筮を行い、家門に経を誦して衣食金銭の報捨....