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姉婿
「姉婿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
姉婿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
け》ったりした。夜明方まで作と闘った体の節々が、所々痛みをおぼえるほどであった。
姉婿も同じようなことを言って、お島に意見を加えた。お島はくどくどしいそれ等の忠告....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ませんか。貴女がお帰りだ、と知れましたら。」 「来るもんですか。義兄(医学士――
姉婿を云う)は忙しいし、またちっとでも姉さんを出さないのよ。大でれでれなんですか....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
虎少しも之を賞さなかったと云う。その頃から、父子の間不和で、後天文十年父信虎を、
姉婿なる今川義元の駿河に退隠せしめて、甲斐一国の領主となる。時に年二十一歳。 ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
遠参の大管領で匹儔のない武将であったが、信虎の一女を貰っていたので晴信にとっては
姉婿に当たり日頃から二人は仲がよかった。 「なるほど、これはよい勘考だ」晴信は嬉....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
だというので、その青年を加えて、間もなく三人でハルミの郷里を訪れ、ハルミの叔父や
姉婿などにも立ち会ってもらって、マスタアとの結婚解消と青年との結婚とについて、協....
「足迹」より 著者:徳田秋声
方に残して来た。 「男の子一人だけは、どうにかものにしなくちゃア。」と、叔父は、
姉婿が壊れた家を支えかねて、金を拵えにと言って、田舎へ逃げ出してから、下宿の方へ....
「黴」より 著者:徳田秋声
友人の尽力でお銀の体のきまりがようやく着いてからであった。そのころには、甥もその
姉婿につれられて、田舎へ帰っていた。 甥はますます悪い方へ傾いていた。夜おそく....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
あった。彼女の家は、神道禊教の信徒で、葬式も神道であった。兄の二人、弟の一人と、
姉婿が棺側に附いて、最早墓守夫妻が其亡くなった姉をはじめて識った頃の年頃になった....
「細木香以」より 著者:森鴎外
葬られた。手代等は若檀那子之助の前途を気遣って、大坂町に書肆を開いている子之助の
姉婿摂津国屋伊三郎を迎えて、家督相続をさせようとした。子之助の姉は上杉家の奥を下....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
かったからである。 手習ということは、江戸に居た頃は余りしなかった。尤も継母の
姉婿の、かの絵をよく描く山本は、書もよく書くので、これに手本を書いてもらって習っ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
り外出もなさらなかった由です。浴衣がけのお写真が入って来ました。河村さんの息子が
姉婿のところで修業中、それがとったのですって。すこしぼんやりしている。でも、いつ....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
何事ぞ、その筋に向かいて詰問する所ありしかど何故《なにゆえ》か答えなければ、妾の
姉婿《しせい》某が県会議員常置委員たりしに頼《よ》りてその故を尋《たず》ねしめけ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
で、同年八月十九日三越本店式場で結婚式をあげ事実上の婚姻予約をなした。 しづの
姉婿、加藤律治氏は杉並でクリーニング店を営み、しづは同所に居住している関係上、羽....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
承服しないのだった。 源内先生の気を沈ませるのはこのことなのである。 お鳥の
姉婿《あねむこ》、つまりお鳥の義兄が商用で長崎から大阪へ上り、いま川口の宿にいる....
「それから」より 著者:夏目漱石
て送ってくれた高麗焼《こうらいやき》の礼状である。一本は仏蘭西《フランス》に居る
姉婿《あねむこ》宛で、タナグラの安いのを見付けてくれという依頼である。 昼過散....