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始め
「始め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
始めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
21
この城の門の上。そこには横にいつの間《ま》にかこう云う文句が浮かび
始める。――
「この門に入るものは英雄となるべし。」
22....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
洞穴《ほらあな》で、神代《かみよ》の夢ばかり見ていたが、お前が木を伐《き》りに来
始めてからは、その笛の音に誘われて、毎日面白い思をしていた。そこで今日はそのお礼....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
人物では決してなかった。が、翌日瀬沼兵衛の逐天《ちくてん》した事が知れると共に、
始めてその敵《かたき》が明かになった。甚太夫と平太郎とは、年輩こそかなり違ってい....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
て見ないでも、格別不自由はしなかったからである。)
じょあん孫七《まごしち》を
始め三人の宗徒《しゅうと》は、村はずれの刑場《けいじょう》へ引かれる途中も、恐れ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
色《けしき》で、ちょいと顔をあげたが、すぐまた眼を紙へ落して、せっせとあとを書き
始める。これは恐らく、京都の妻女へ送る消息でも、認《したた》めていたものであろう....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
な。」
そう答えた店員は、上り框《がまち》にしゃがんだまま、あとは口笛を鳴らし
始めた。
その間に洋一は、そこにあった頼信紙へ、せっせと万年筆を動かしていた。....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
取りの死骸《しがい》は蝦《えび》だらけになって上《あが》ったもんですから、誰でも
始めのうちは真《ま》に受けなかったにしろ、気味悪がっていたことだけは確かなんです....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
れから平貝《たいらがい》のフライを肴《さかな》に、ちびちび正宗《まさむね》を嘗め
始めた。勿論|下戸《げこ》の風中や保吉は二つと猪口《ちょく》は重ねなかった。その....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
した。 丁度その途端です。誰か外へ来たと見えて、戸を叩く音が、突然荒々しく聞え
始めました。 二 その日のかれこれ同じ時刻に、この家の外を通りかかっ....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
作の力、生命を掴むばかりでなく、技巧と内容との微妙な関係に一隻眼を有するものが、
始めてほんとうの批評家になれるのだ。江口の批評家としての強味は、この微妙な関係を....
「墓」より 著者:秋田滋
罵の口笛が起った。 けれども、彼は、動ずる色もなく、心もち含み声で語りだした。
始めのうちはその声はやや低かったが、喋ってゆくにつれて、それもだんだんしッかりし....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
して皆な暑さを忘るる物なるに、まして川風の肌に心地よき、汗に濡れたる単衣をここに
始めて乾かしたり。紅蓮の魚の仏手に掏い出されて無熱池に放されたるように我身ながら....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
というので、ごくわずかしかもらわない小遣銭で、買えるような簡単な器械で、実験をも
始めた。 ファラデーはある日|賑やかなフリート町を歩いておったが、ふとある家の....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
挨拶は簡単だが、心がこもっていた。握手して、肩をぽんとたたいて、哄笑し、「さあ、
始めて下さい。どうぞ召しあがって下さい」と熱心にすすめるという一手だった。 や....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
かったとは次兵衛がよく話していた。あの長篇快作『ドグラ・マグラ』も此の頃から書き
始められたのではあるまいか。 久作さんは又非常な情熱家であった。かつて久作さん....