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「姓名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

姓名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
本の一詩人のごときは死後の名声を軽蔑《けいべつ》しいたり。 問 君はその詩人の姓名を知れりや? 答 予は不幸にも忘れたり。ただ彼の好んで作れる十七字詩の一章....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
、静かに傾聴するばかりだった。その内に船は岸に泊した。船中の客は別れるのに臨んで姓名を告げるのを例としていた。書生は始めて益軒を知り、この一代の大儒の前に忸怩《....
或る女」より 著者:有島武郎
止まらして中をのぞいて見た。門札には叔父《おじ》の名はなくなって、知らない他人の姓名が掲げられていた。それでもその人は医者だと見えて、父の時分からの永寿堂《えい....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
。「君疲れたろう、寝《やす》んでくれ給え」岡村はそういって、宿屋の帳附けが旅客の姓名を宿帳へ記入し、跡でお愛想に少許り世間話をして立去るような調子に去って終った....
婦系図」より 著者:泉鏡花
んなさりまするならば、直ぐにこの足で駈着けましても宜しゅう存じまするで。ええ、御姓名、御住所は何とおっしゃる?」 「住居は飯田町ですが、」 と云う時、先生の肩....
古狢」より 著者:泉鏡花
古屋の客は――註しておくが、その晩以来、顔馴染にもなり、音信もするけれども、その姓名だけは……とお町が堅く言わないのだそうであるから、ただ名古屋の客として。……....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
反抗しながら勇敢に宣伝を続けておりました。 彼の頭はメキメキ進みました。自分の姓名さえも満足に書くことのできないYが、いつの間にか、むずかしい理屈を、複雑な言....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
開くは、さてめでたいぞ。 ほう、按腹鍼療、蒲生鉄斎、蒲生鉄斎、はて達人ともある姓名じゃ。ああ、羨しい。おお、琴曲教授。や、この町にいたいて、村雨松風の調べ。さ....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
がね、あの学校の雇になって、はじめて教場へ出た時に、誰だっけか、(先生、先生の御姓名は?)と聞いたんだって。するとね、ちょうど、後れて溜から入って来た、遠藤ッて....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
として不充分であるが、何とも他に致方がないのである。われ等は、地上生活中の自己の姓名を名告り、そして自己と同時代の性行閲歴につきて、事こまやかに物語るであろう。....
良夜」より 著者:饗庭篁村
思いて答えたり。巡査は予の面を一種の眼光をもって打眺め、「そも御身は何処の者にて姓名は何と言わるる」と言い言いなお身体容貌を眺め下したり。「何のために宿所姓名を....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
学者。 ケルン(地)Cologne. ケルヴィン男(人)Lord Kelvin.姓名はウイリアム・トムソン。一八二四―一九〇七。英国有名の物理学者。 ゲッチンゲ....
活人形」より 著者:泉鏡花
泰助は近く寄りて、「探偵吏です。「ええ、と病人は力を得たる風情にて、「そうして御姓名は。「僕は倉瀬泰助。と名乗るを聞きて病人は嬉しげに倉瀬の手を握り、「貴下が、....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の創立建築費は一カ寺五万円に下らずという。 寺院に金円を寄付したるものは、その姓名を堂内の壁上に刻し、後日の記念となす。あたかもわが国の寺院に永代読経の掲示あ....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
ない。翌日の夜練兵場に引張り出されたときはもうだめかと思った。しかし係官が住所、姓名を聞いただけで、また営倉にもどされた。いのちだけは助かったかと思っていると、....